Mine秋吉台ジオパークとは?白・黒・赤の大地と、世界が認めた地域の力[PR]

山口県美祢市の「Mine秋吉台ジオパーク」が、2026年4月にユネスコ世界ジオパークに認定されました。秋吉台の絶景だけではありません。白い石灰岩、黒い無煙炭、赤い銅。3色の地質が語る地球の歴史と、それを守り続けてきた人々の活動が、世界に認められました。Mine秋吉台ジオパーク推進協議会への取材をもとに、ジオパークとは何か、認定の意義から見どころ・ジオツアーの楽しみ方まで、現地からお伝えします。

Mine秋吉台ジオパークとは?白・黒・赤の大地と、世界が認めた地域の力[PR]

ジオパークとは何か。認定は「続けること」への約束

  • Mine秋吉台ジオパーク推進協議会事務局 主査(専門員)小原北士さん

「ジオパーク」という言葉、「地質の公園」だと思っていませんか?

「ジオパークは観光誘致だけのためではない。地域と地球の未来のために活動していくことが基本です」。取材でそう話してくれたのは、Mine秋吉台ジオパーク推進協議会の小原専門員です。


ジオパークとは、地質学的に国際的な価値を持つ大地を、地域の人々が保全し、教育に活かし、持続可能な形で次世代へつないでいく、その仕組み全体を指す概念です。世界遺産が「人類共通の遺産を守る」制度であるのに対して、ジオパークは「地域が主体となって動く」ことが評価の中心にあります。2015年にユネスコが正式プログラムとして採択し、現在は世界51か国・241地域があります。日本国内では48の日本ジオパークのうち11地域がユネスコ世界ジオパークに認定されています。


特徴的なのは、認定後も4年に1回の審査があることです。落とすための審査というより、より良い活動にするためのポジティブな意味合いが大きいとされますが、受ける側には確実に負担がかかります。認定はゴールではなく、世界との約束を更新し続けるという意味なのです。

美祢市全域が対象エリア「Mine秋吉台ジオパーク」

2026年4月23日、フランス・パリのユネスコ本部で開催された第224回ユネスコ執行委員会において、山口県美祢市の全域472.64平方kmを対象とする「Mine秋吉台ジオパーク」が、ユネスコ世界ジオパークとして正式に認定されました。日本国内では11番目の認定です。


「Mine」には、美祢市の読み「みね」のローマ字表記、英語で「鉱山」を意味する「mine」、英語で「私のもの」を意味する「mine」の3つの意味があり、「鉱山(Mine)で栄えた私たちの(Mine)ふるさと美祢(Mine)」という気持ちが込められています。


美祢市は複数の旧市町が合併してできた市で、それぞれのエリアに異なる地質資源があります。その資源を白・黒・赤という3色のテーマカラーとして打ち出し、合併した地域の一体感を強めるためにジオパーク活動が始められました。2012年頃からスタートした活動が、14年をかけてユネスコ認定へと結実したのです。

Mine秋吉台の拠点「Karstar(カルスター)」

秋吉台のカルスト展望台のそばに建つ「Karstar(カルスター)」は、Mine秋吉台ジオパークのビジターセンターです。カウンターには毎日ジオガイドが常駐しており、観光案内や相談が無料ででき、当日申し込めるジオツアーもあります。

30種類のジオサイトカードも無料で配布しており、各ジオサイトの特徴と現地へのアクセス用QRコードが記載されています。カフェやお土産コーナーもあり、大草原を望む休憩スペースでゆっくり過ごすこともできます。

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カルスト台地の絶景とともに味わうカフェタイム

秋芳産の梨を使った梨ソフトクリームや、カルスト台地をイメージした秋吉台フラッペが人気です。梨カステラ、手作りシャーベット、カルスターブレンドコーヒーやラテもそろっています。カルスト台地特有の土壌で育った梨の甘酸っぱさと、目の前に広がる大草原の景色をセットで楽しんでください。

カルスト台地の絶景とともに味わうカフェタイム

白:石灰岩はどうできたのか(秋吉台・秋芳洞の地質)

秋吉台に立つと、羊の群れのように転がる白い岩が目に入ります。石灰岩は世界の陸地面積の1割以上を占めるありふれた岩ですが、秋吉台の石灰岩にはほかにはない地球の物語があります。


約3億4000万年前から約2億6000万年前、この石灰岩のもとになったサンゴ礁は、赤道近くの暖かい海にありました。海底火山の頂上付近で成長したサンゴ礁が積み重なり、約8000万年かけてプレートに乗って大陸まで運ばれてきたのです。過去120年以上の研究で解明されたこの成り立ちは、ほかのジオパークにはない、世界的にも唯一のものとされています。

石灰岩の大地は水が地下に流れ込みやすく、地表に川ができにくいのが特徴です。水を得にくいこの台地は、弥生時代から集落の外に置かれる一方で、江戸時代には雨水が石灰岩を溶かしてできた窪地「ドリーネ」の底で根菜類を育てていたことがわかっています。

  • 江原ウバーレ集落

秋吉台に隣接する江原ウバーレ集落では、ドリーネが複数結合してできた窪地の中に家屋が密集し、地表に川が流れず、地下に水が吸い込まれる土地で、人々が今も生活しています。

この広大な草原が維持されているのは、自然の力だけではありません。江戸時代、秋吉台は集落ごとに管理された採草地でした。草を確保するために毎年火を入れる慣行が続き、1925年に陸軍が演習場の山火事防止のために、台地全体を周囲から一斉に焼く現在の「山焼き」の形式を整えました。昭和30年代~40年代に化学肥料が普及し、草を「使う」目的は、ほぼ失われましたが、山焼きは景観の維持や草原性動植物の生息地保護を目的として続いています。山焼きをやめると木が生え始め、10年~20年で森林へと変わります。広大な草原景観は、火で焼くことで初めて維持されています。

  • スリーブを外してみると・・・

カルスターのカフェで出てくるコーヒーの紙コップには、「秋吉台の岩はなんこ?」という問いが書かれていて、スリーブを外すと「大きな1つの岩」という答えが現れます。地表に散らばって見える無数の石灰岩は、地下ではすべてつながった1枚の岩から成り立っています。 

秋吉台の地下では、雨水が石灰岩を長い時間をかけて溶かし続け、洞窟を形成しました。その代表である秋芳洞では、洞内の気温は年間を通じて17度前後に保たれ、夏は涼しく、冬は暖かく感じられます。 総延長11km以上、観光ルートは約1kmにわたり、百枚皿や黄金柱など圧巻のスケールが続きます。入口は正面・エレベーター・黒谷の3か所。エレベーター口からのアクセスなら、洞内のちょうど中間から入って前後を見学でき、カルスターを拠点に秋吉台と秋芳洞を効率よく回ることができます。

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入館無料で学べる「美祢市立秋吉台科学博物館」

カルスターから徒歩1分の場所に、美祢市立秋吉台科学博物館があります。入館無料で、秋吉台の地質や生態系について体系的に学ぶことができます。カルスターの展示はあえてシンプルに抑えられているので、より詳しく知りたい方はこちらがおすすめです。

入館無料で学べる「美祢市立秋吉台科学博物館」
【関連記事】美祢市│ 秋吉台・秋芳洞の地質(ジオ)の歴史を紐解くガイドツアーを体験│Mine秋吉台ジオパーク[PR]

初めての山口観光でも人気の絶景、秋吉台と秋芳洞。今回は“石灰岩”に着目するジオガイドツアーに参加しました。地質の歴史を紐解くと、億単位の圧倒的な時間軸と地球の壮大な営みに触れ、「人間なんてちっぽけだ」と心地よい解放感すら覚えます。ただ眺めるだけでは味わえない、特別な気づきに満ちた体験でした。

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黒:大嶺炭田の無煙炭が支えた近代と閉山後の遺構

秋吉台から車で20〜30分ほど西へ走った大嶺エリアには、大嶺炭田の遺構が点在しています。


大嶺炭田の石炭は、約2億3000万年前、恐竜が現れ始めた頃の植物が地下で石炭に変わったものです。この石炭が「無煙炭」、つまり煙をほとんど出さずに燃える石炭であることが、この地域の運命を決めました。海軍の船は煙突から出る煙が遠くからでも見えてしまうため、煙の出ない石炭が欠かせませんでした。明治半ば、海軍はここに目をつけ、石炭を徳山の燃料廠へ運び出すために美祢線を急ピッチで整備しました。


海軍が期待したほどの品質ではなかったため20年ほどで民間に払い下げられましたが、家庭用の練炭・豆炭としての需要はその後も続きます。最盛期には映画館まで備えた炭鉱の町が栄え、複数の炭鉱住宅団地が存在していました。しかし、戦後のエネルギー革命により、昭和45年から50年にかけて閉山が相次ぎました。

美祢市歴史民俗資料館の2階には大嶺炭田コーナーがあります。採掘に使われた道具や炭鉱で働いた人々の生活用品、当時の写真資料などが並び、最盛期の炭鉱の町の暮らしを具体的に知ることができます。ここ数年で展示パネルが更新され、炭鉱の歴史だけでなく、石炭がなぜここにできたのかという地質の話まで一貫して学べる構成になっています。

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石炭を運んだSL

資料館から徒歩すぐの市役所前に、美祢線を走っていたSLが展示されています。美祢線は、もともと大嶺炭田の石炭を運び出すために整備された路線です。炭鉱の閉山後も地域の足として使われ続けましたが、2023年の大雨で橋梁が流失し、全線運休となりました。現在はBRT(バス高速輸送システム)による復旧に向けた協議が進んでいます。

石炭を運んだSL
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絶景で知られるMine秋吉台ジオパークは、かつて日本を支えた「石炭」の産地でもありました。世界的にも珍しい無煙炭を掘り出した大嶺炭田は、海軍の燃料にも使われた歴史を持ちます。炭鉱や住宅の跡地を巡るガイドツアーに参加すると、当時の人々の生活の息遣いと、約2億年前から続く地球の壮大な歴史が響き合います。

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赤:長登銅山の銅鉱床と、奈良の大仏との繋がり

赤のテーマは銅です。約1億年前、恐竜が最も繁栄していた時代に、地下からマグマが上昇し、熱せられた地下水と石灰岩が化学反応を起こし、銅鉱床を形成しました。その銅が古代から採掘されてきたのが長登銅山で、秋吉台の北東、車で10~15分の場所にある長登銅山文化交流館でその歴史を知ることができます。

この銅山で採れた銅は、奈良の大仏にも使われています。1988年、東大寺大仏殿の西側の発掘調査で出土した青銅塊の化学分析により、大仏造立に使われた銅が長登銅山産であることが実証されました。

また、土中から発見された800点を超える木簡から、公的な管理下にあったことが判明し、日本最古の国営銅山ともいわれています。本来、木は土の中で腐ります。しかし、豊富な地下水が酸化の進行を防ぎ、文字まで残った状態で保存されていました。木簡や鉱石、土器などの出土品は文化交流館に展示されています。

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長登銅山跡の見学と体験メニュー

長登銅山文化交流館では、鋳造体験や木簡書道体験が楽しめます。周辺の山中には奈良時代の坑口跡や江戸時代の製錬所跡が残っており、散策しながら見学することができます。

長登銅山跡の見学と体験メニュー
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奈良・東大寺の大仏を支えた銅のふるさと。それが2026年4月にユネスコ世界ジオパークに認定された、山口県の「Mine秋吉台ジオパーク」にある「長登銅山跡」。奈良時代から続く日本最古級の国営銅山跡です。ガイドツアーで歴史の足跡を徒歩で辿れば、まるで当時の歴史の渦中へとタイムスリップした感覚を味わえます。

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ユネスコ世界ジオパークに認められた理由

ユネスコ世界ジオパークの審査には2つの軸があります。1つは地質学的価値の国際的な証明。もう1つは、ジオパークの意義を地域の関係者が理解し、共有した上で活動できているかです。「なぜユネスコ世界ジオパークになりたいのか」「ジオパークを使って何をしたいのか」。その答えを、行政・ガイド・地域住民それぞれが自分の言葉で語れるようになっていること。書類審査だけでなく、施設の整備や多言語対応、教育プログラムの充実なども含めて、現地審査でも問われます。

Mine秋吉台ジオパークの認定で高く評価されたのが、地域住民が主体となって大地を守り続けてきた活動です。その代表が山焼きです。山焼きは秋吉台の周辺集落が担う共同作業です。秋吉台の周囲約20kmに防火帯を作る「火道切り」から始まり、当日は1000人規模の人々が台上に展開します。単純に周囲から火をつけるのではなく、標高や風向きを考慮した昔からの知恵としきたりに従って進める必要があります。

秋吉台の草原は「半自然草原」と呼ばれます。山焼きで維持されるこの草原には、オキナグサのような背丈の低い植物や特定のチョウなど、草原にしか生育・生息できない動植物が暮らしています。かつて日本各地に存在した半自然草原は現在、激減しており、こうした取り組みがジオパーク審査で認められました。

山口県のもう一つのジオパーク「萩ジオパーク」

山口県には、Mine秋吉台ジオパークとは全く性格の異なるジオパークがもう1つあります。萩市・阿武町・山口市阿東地域にまたがる「萩ジオパーク(日本ジオパーク)」です。


過去1億年にわたる3つのマグマ活動がつくった大地の上に、萩焼の土が生まれ、城下町が形成され、明治維新の舞台になりました。Mine秋吉台が「海の堆積物とプレートの移動」の物語であるのに対し、萩は「マグマが地形と文化をつくった」物語です。市境の看板には「サンゴの大地からマグマの大地へ」という言葉があります。これほど近いのに、大地の成り立ちが全く異なる。それ自体がこの地域の地質的な面白さを物語っています。

Mine秋吉台のジオツアー!コースと予約方法

Mine秋吉台ジオパークを深く知るなら、ジオガイドと一緒に歩くジオツアーが最も効率的です。カルスターに常駐するジオガイドへの相談は無料で、当日申し込みで参加できる30分コースと1時間コースがあります(お1人様1,000円~)。

事前予約制の白・黒・赤それぞれの専門コースも用意されています。
実際のジオツアーの様子は、地元ライターの体験レポートもご覧ください。

石灰石(白)コース
カルスト台地の恵みと現代の暮らしのつながりを学ぶ
石灰石(白)コース
体験レポート
石炭(黒)コース
近代日本の産業を支えた大嶺炭田を巡る
石炭(黒)コース
体験レポート
銅(赤)コース
奈良の大仏にも使われた古代の歴史ロマンを辿る
銅(赤)コース
体験レポート

Mine秋吉台エリアで食べる!地質とつながるグルメ

美東ごぼう
カルスト台地のドリーネの底で育つ美東ごぼうは、粘土質の土で育てられた太くて濃厚な味が特徴です。秋芳洞入口の「安富屋」のざるごぼうや、「道の駅みとう」のごぼううどんなどで味わえます。
美東ごぼう
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スコップホルモン
炭鉱労働者たちがスコップの上でホルモンを焼いて食べたことが起源のB級グルメです。「串焼き居酒屋 厚狭川」などで食べられます。
スコップホルモン
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ますバーガー・ますスティック
別府弁天池のそばにあるマス養殖場の直売所で販売しています。湧水で育てたマスを使ったテイクアウトグルメで、土日祝日のみの営業です(11月中旬~3月中旬は休業)。
ますバーガー・ますスティック
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名水百選「別府弁天池」と大嶺酒造

水が断層に沿って湧き出したのが別府弁天池です。コバルトブルーの透明な水は名水百選にも選ばれています。この湧水を使って醸造されているのが、大嶺酒造の「Ohmine(大嶺)」です。フルーティーな味わいで、お土産にもおすすめの日本酒です。

名水百選「別府弁天池」と大嶺酒造
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