国宝「瑠璃光寺五重塔」がある歴史のまち・山口で、可愛く美味しく楽しく大内文化を体験!歴史初心者もOK♪

室町時代に大内氏が本拠地としたことで発展し、西の京とも呼ばれた山口市。
この時代に花開いたという独自の華やかな大内文化は、現在でも文化財や街並み、食、伝統工芸などを通して山口の街に息づいています。今回は歴史が好きな方はもちろん、詳しくない方でも大丈夫。
可愛く!美味しく!楽しく!気軽に大内文化に触れられるスポットをご紹介します♪
池田モト
池田モト
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国宝「瑠璃光寺五重塔」がある歴史のまち・山口で、可愛く美味しく楽しく大内文化を体験!歴史初心者もOK♪

大内文化とは?

そもそも大内文化とはどんなものかご存知でしょうか?

大内文化とは室町時代に山口市を中心に栄えた文化で、京都や大陸の文化に大きく影響を受けています。

長門・周防国の守護に任じられた24代大内弘世は、京に憧れを抱き、京の都を模した街づくりをするために、京都盆地によく似た山口に本拠地を移したそうです。山口では一の坂川を京の鴨川に見立てるなど、京をお手本とした街づくりを行ったとされています。

この一の坂川、現在では春は桜やつつじ、初夏はゲンジボタルの名所となっています。

取材に訪れた3月中旬は一部早咲きの桜が咲いていたものの、そのほかの桜は開花まであと一歩といったところ!


一の坂川の両岸に約200本の桜が咲き乱れる風景は絵にかいたような美しさ。ぜひお花見をしながらお散歩してみてくださいね。

世界に一つだけ♡オリジナルアクセサリー作りで伝統工芸に親しもう♪

大内文化と言えば「大内塗」をイメージする方も多いですよね♪

大内塗の特徴は、「大内朱」という深い朱色の地塗りの上に、色漆でハギやススキなどの秋の草を描き、金箔で大内氏の家紋である「大内菱」をあしらっていることです。

何度も漆塗りを繰り返すので、丈夫で退色しにくいそうです。

大内塗の中でも有名なのが「大内人形」。山口市を象徴する存在でもあり、山口駅前に大内塗のモニュメントが設置されていたり、ガスタンクのモチーフになっていたり、市内のいたる所で見かけます  



そんな「大内塗」を気軽に体験できるのが…

大内塗の工房の「中村民芸社」です。

こちらでは「大内塗の技法を活用したアクセサリー作り」や「本格的うるし塗り仕上げ 大内塗箸づくり」を体験することができます。

今回はアクセサリー作りを体験してみることにしました。

色漆(速乾性の代用漆)や金箔を使い、イヤリングやネックレスなど世界に一つのアクセサリーを作ることができますよ♪



早速、体験スタート♪


まずは、土台となる木地を選びます  

立方体や球、円柱など様々な形にカットされたものから選べました。

私はイヤリングを作りたかったので、実際に耳に当てて仕上がりをイメージしながら迷いつつ…小さめの立方体で作ることにしました♪


続いては着色です。色漆の中から好きな色を選んでいきます。

私は「漆」というとシックな色のイメージだったのですが、赤や紺、深緑の他にも明るい緑やピンク、黄色などもあり色漆のカラフルさにびっくり  

同じ形でも塗る色によってかなり印象が変わるので、しっかりと吟味して、春らしくピンクと黄色をチョイスしてみました♪

木地を針にさして棒に取り付け、丁寧に塗っていきます。

色漆は薄めない絵具のような、少しねっとりした質感。

速乾性の代用漆を使うので、手についてもかぶれる心配はないとのことで安心です。

隙間やムラの無いように丁寧に塗っていきます!

厚く塗り過ぎるとなかなか乾かなくなってしまうので塩梅が難しいところ  


塗れたら5分から10分ほど乾かし、金箔の貼付けに入ります。

くしゃみをすれば一瞬で吹き飛んでしまいそうな小さくて軽い金箔を、ピンセットでそっとつまみ優しく貼り付けるこの作業。

簡単そうに見えますが、なかなか金箔が狙った位置に付いてはくれないんです  

ですが、このランダムについた感じも可愛い♡好きなだけ貼り付けていいそうですよ~  

一気に華やかになりました!

そして再び乾燥させ、浮いている金箔をはけでそっと取り除きます。

最後にアクセサリーの金具をつけたら完成です!

洋服にも和服にも合いそうな可愛いイヤリングが完成しました~♪

木でできていてとても軽いので、耳に負担もかかりません。

作ったアクセサリーはその日に持ち帰ることができますよ。


お友達はシックな色合いのアクセサリーを作っていました!

色や木地の形で全く雰囲気が変わりますよね。

大内塗の技法を活かした世界に一つだけのアクセサリー、この春沢山活躍させたいな♪



体験後にはぜひショップにも立ち寄ってみて下さい   

従来の大内塗や大内人形だけではなく、飾りたくなる、身に着けたくなる様々な商品が置かれています  


アクセサリーやキーホルダーなどの他、干支やクリスマス、ハロウィンなどシーズンに合わせて集めたくなる人形もあります  

現代に合わせたデザインのオーダーメイドでつくる大内人形「Ouchi夫婦」は結婚の記念やお祝いにおすすめ。

大内人形のイラストが入ったトートバックや缶バッジなど、お手軽な値段のものもあるのでお土産にもぴったりです!


【中村民芸社】

山口市大内御堀4138

電話)083-927-0619 

※体験の予約は公式サイトから

食べるのがもったいない!自分用にもお土産にも◎な大内人形の和菓子

大内塗の魅力をたっぷり感じたところで向かったのは、「山口風月堂」。

明治30年創業の老舗菓子店です。

実はこちらで「大内人形」がモチーフのお菓子が買えるんです  


それが「大内もなたん」と「にこたん糖」!ネーミングまで可愛すぎる♡

「大内もなたん」は大内人形をかたどった”最中”。

お殿様はこだわりの粒あん、お姫様は京都の老舗茶園の石臼引き抹茶を使った抹茶あんです。

最中を包んでいる紙も、優しい顔をした大内人形になっていて開けるのがもったいない…  

箱もしっかりとしていて、そのまま飾れるデザインになっています。

人気のお菓子かつ1日に製造できる個数が限られているため、当日お店に行ってもなかなか買えないことも。購入の際は事前に予約するのがおすすめです!

気軽に買えるお殿様とお姫様の大内もなたん2個セット(880円)や、大内もなたん8個(4組)と市内の4工房の大内人形のうちお好きな大内人形1組がセットになった「プレミアムセット(9500円)」もありますよ  

「にこたん糖」は大内人形の形をした”和三盆糖の干菓子”です。

四国の希少な本和三盆糖100%を使用し、職人が丁寧に彫ったこだわりの木型で作られています。

小さくても、大内人形の温かくて柔らかなほほえみがちゃんと再現されているんです♡

口に入れると、舌の上で少しひんやりしたかと思えば滑らかにすーっと溶け、すっきりしているけど深みのある甘さの上品なお味でした  

プレミアムボックス(1800円)、にこたん糖大(650円)、にこたん糖小(200円)と様々なサイズが用意されているので大切な方への贈り物やちょっとしたプレゼントに最適です  


「大内もなたん」や「にこたん糖」以外にも、古くから地元の方々に愛されてきた菓子や季節に合わせた彩り鮮やかな菓子など、美味しそうなものが沢山ありますよ。


【山口風月堂】

山口県山口市下竪小路2

電話) 083-922-2112


もっちりむぎゅっ!歴史を感じる街並みの大人気ベーグル店

大内文化の面影は街並みでも感じることができます。

山口市の竪小路・大殿大路周辺には、今も歴史情緒ある街並みが残っています。

この周辺は京都に憧れた大内氏が、京都を真似した街づくりを行った際に中心となった場所であり、通りの名前も京の通りに似せたものになっているんですよ  


そんな大殿大路にある人気のベーグル店「TSUKINOWA」でランチをいただくことにしました。


築100年以上の古民家を改装した店舗は、おしゃれな中に懐かしさや居心地の良さも感じます。

今回はお昼すぎ遅めのランチで伺いましたが、人気店というだけあって種類も数もかなり少なくなっていました  

毎日ベーグルやマフィンなど、毎日20~30種類並ぶということで、沢山の種類から選びたい方は早めの時間に行くと良さそう。

ベーグルは甘いものからしょっぱいもの、定番の味から変わり種まで種類も様々。

うーん、どれにしようか迷っちゃう!


テイクアウトはもちろん、併設されたカフェ「ampersand」でイートインもできますよ。

今回はひと休みもかねて、カフェでいただきます。


店内は落ち着いた照明で、ゆったりとくつろげそうな雰囲気。

席はソファ、椅子、座敷の席がありお好みで選べます。1つだけハンモックチェアもありました!



今回はベーグルと一緒に日替わりのスープとドリンクも注文。

国産小麦粉と自家製の天然酵母、岩国の天然水を使って手作りされたベーグルはもっちりむぎゅっとした歯ごたえとほのかな小麦の香りを感じます。

私はココナツショコラホワイトチョコ(イートイン319円・持ち帰り313円)とほうれん草ベーコンチーズ(イートイン451円・持ち帰り442円)の2つを食べましたが、あっという間に食べきってしまうほど美味しかったです!とはいえ中身が詰まっていて持つとずっしり、しかもよく噛んで食べるので満足感もありますよ。

本日のスープはさつまいもでした!甘いベーグルにもしょっぱいベーグルにもよく合う◎

暖かくなってきたこの季節、オレンジジンジャー(イートイン440円、持ち帰り432円)もおすすめ♪

自家製のシロップを使った、しょうが風味がアクセントで効いた大人のジュースでしたよ  


他の味のベーグルも食べてみたいので、何度も通ってみようと思います♪


【TSUKINOWA・ampersand】

山口県山口市大殿大路134-1

電話)080-3965-4402 

大内文化の最高傑作!瑠璃光寺五重塔は今だけの貴重な姿に&茶店で一休み♪

大内文化の最高傑作と称される国宝「瑠璃光寺五重塔」は、25代大内義弘の菩提を弔うために弟の26代盛見が建立しました。

その美しさは日本三名塔の一つに数えられ、山口市唯一の国宝です。桜や梅、アジサイなどの花々、初夏の新緑、秋の紅葉、冬の雪化粧など季節によって様々な表情を見せてくれます。



そんな瑠璃光寺五重塔、実は現在「令和の大改修」の真っ最中!


檜皮葺屋根の全面葺き替えなどの工事が行われています。

檜皮葺き屋根の全面吹き替えはなんと約70年ぶりということで、今しか見ることのできない貴重な大改修中の瑠璃光寺五重塔の様子を見ることができますよ!

工事は令和8年3月までの予定です。


瑠璃光寺に観光に来たら、五重塔を眺めながら一休みしませんか?

瑠璃光寺本堂の山門のわきには50年続く茶店があり、お抹茶やあめ湯、ぜんざいやソフトクリームなどを提供しています。


私は自家製の米麹で作るという「あま酒(¥400)」をいただきました。

濃厚でお米の香りと味がしっかり感じられ、優しい甘みのあま酒に心もほっこり。


茶店には春季限定で「蕨菓匠 本多屋」の桜外郎も販売されていましたよ!

山口の外郎ならではのもちもちでぷるんとした独自の食感はもちろん、塩漬けした桜の花がふんだんに練りこまれていて、口に入れた瞬間から豊かな桜の香りが広がり美味でしたよ  

※取材のため特別にお皿に盛り付けていただきました。

季節によっては夏みかんや栗の外郎もあるそうです♪


【瑠璃光寺五重塔】

山口県山口市香山町7-1


【瑠璃光寺茶店】

瑠璃光寺山門の隣

電話)083-925-1227

山口土産の定番!老舗菓子店で外郎づくりを体験♪

瑠璃光寺の茶店でも販売されていた、山口市を代表する銘菓でありお土産の定番でもある「外郎」!

室町時代から親しまれてきた山口の外郎は、他県のものとは違いわらび粉を使っているので、もちもちぷるぷるの食感が特徴です。

外郎も大内文化と共に発展してきました。


「蕨菓匠 本多屋 本店 懐古庵」では「外郎づくり体験」ができるとご存知でしたか?

私も外郎は幼いころから大好きなのですが、自分で作るのは今回が初めて!どきどきです  

体験場所は店内のイートインスペース。まずは、外郎の試食からです。

外郎づくりを教えてくださる職人さんから「この食感を目指して作るのでよく覚えておいてくださいね。」とのこと。

蕨菓匠 本多屋の外郎は特にみずみずしい食感が特徴なんですって  

良く味わって山口の外郎の美味しさを確認したら、いよいよ外郎づくりスタートです。

子どもたちにも気軽に体験してほしいと簡単にできるように準備してくださっているのでご安心くださいね。


材料は蜜とあん玉の入ったカップ、わらび粉と小麦粉を混ぜた粉です。

まずはカップの中であん玉をしっかり潰して溶かします。

次に2回に分けて粉と、あん玉を溶かした蜜を混ぜ合わせるのですが、この作業が外郎の食感を左右する重要なポイントだそう。

粉が溶け残ってもダメ、練り過ぎてもダメということで、職人さんのお手本をよく見て丁寧に、程よい加減を見極めながら混ぜます。

そして口当たりを滑らかにするために茶こしでこして、だまもきれいに溶けたら、名前を書いた箱に生地を流し込みます。


このままのシンプルな外郎も美味しいのですが、体験では小豆と栗をトッピングすることもできるんです!

小豆と栗が両方入ったものは通常販売していないので、外郎づくり体験だけの特別バージョン!

スプーン2杯が目安ということですが、この「2杯」も人によって差があるので個性が出るそうですよ  

私たちが体験するのはここまで。あっという間で30分もかからなかったと思います。

あとは職人さんが美味しく蒸しあげてくれます。  

30分ほど蒸した後に1時間ほど冷ましてから受け取ることができます。

湯田温泉に宿泊する場合は、旅館へ配達するサービスもありますよ。


出来上がった外郎をあけてみると表面がつやっつや!美味しそう~!

自分で作った外郎のお味は…最高でした!

もっちりぷるっとした食感と滑らかな口当たり、そしてたっぷり入れた小豆と栗が味わいと食感をさらに楽しくしてくれていました。

あなたもぜひ体験してみてくださいね♪

※取材のため特別にイートインスペースで出来上がった外郎を開けさせていただきましたが、

体験で作った外郎は通常持ち帰りのみで店内で食べる事はできません。


店内には外郎の他にも三笠焼やわらび餅、カステラなど様々な和菓子が販売されています。

季節限定の商品も沢山あり、お土産にも喜ばれそう。

店内で薄茶やコーヒーと共に外郎を楽しむこともできますので行かれてみてくださいね。


【蕨菓匠 本多屋 本店 懐古庵】

山口県山口市駅通り1丁目4番5号

電話)083-925-1600 

体験の申し込みは電話にて受付可能(ただし、3日前までに予約が必要)

※水曜日・日曜日は定休日(GW・お盆・年末年始除く)

※体験人数は3名様~6名様までです。

大内文化を知ると山口の魅力がもっと見えてくる!

山口市には今でも多くの史跡が残されていますし、伝統文化も沢山あります。

ただ、「大内氏の歴史を知る」「大内文化に触れる」というと難しそうと思われる方もいらっしゃると思います。

確かに知れば知るほど奥が深い世界ではありますが、今回は気軽に「可愛い!」「美味しい!」「楽しい!」と観光を楽しみながら自然に大内文化に触れることができるスポットを選んでみました♪

大内文化を知れば、山口の魅力がもっとみえてくるはず  参考にしてくださいね  

  • 一の坂川
  • 中村民芸社
  • 山口風月堂
  • TSUKINOWA
  • 瑠璃光寺
  • 蕨菓匠 本多屋

この記事を書いた人

池田モト

生まれ育った山口県がぶち好きなんちゃ!1児(3歳)のママ。趣味はおでかけ、特技はお出かけの情報収集。

山口県を拠点にフリーアナウンサー、取材力を活かしてライターとしても活動しています。

「もっと山口が好きになる・知りたくなる・行ってみたくなる」山口県にある数えきれない魅力を県内外に発信していきます!

池田モト