【萩市】猫寺・雲林寺はほっこりスポット、ランチは農家レストランで体にやさしい癒しのむつみ旅。
木彫りの猫や招き猫など、たくさんの猫たちで溢れる可愛くてほっこりするお寺には、猫好きさんが世界中から訪れています。
ここがどうしてネコ寺になったのか?そんなルーツを伺った後は、むつみの味を堪能できる農家レストランでお腹も大満足の一日。
- 奏ちよこ
- 13902pv
雲林寺・通称「猫寺」とは?
萩市街地から車で約30分、山道を進むと、萩市むつみにある千体地蔵が有名なお寺「雲林寺」に辿り着きます。
ここは通称、「猫寺」と呼ばれるお寺なんです。
ここには猫好きさんたちが日本全国、さらには外国からも訪れています。猫好きならぜひ行きたい場所です。
階段をあがれば、そこは猫・ネコ・ねこ!
私は今回初めて猫寺に伺いました!正面の石階段から門を見上げ、思わず「ねこだ……」と呟くほど、可愛らしい猫の像がずらり。
木彫りの像はユーモラスな表情やポーズがとってもかわいく、防府市出身でチェーンソーアーティストの林隆雄さんの作品だとか。
お寺の縁側にも、木彫りの猫たちがそれぞれに可愛らしいポーズで並んでいます。
Column
お寺の猫さんの素敵なお出迎え♬
こちらのニャンコは、お寺の猫さんで黒豆ちゃん。初対面の筆者(猫4匹+秋田犬と暮らす)だったのですが、すりすりと挨拶してくれてなんとも素敵なお出迎えに感動いたしました。
猫寺のルーツは、萩の伝説からだった!
お話を伺ったのはご住職の角田さん。
なぜ猫寺と呼ばれるようになったか、そして猫がつなぐご縁のお話をいただきました。
遡ること時は嘉永2年、萩城下。毛利輝元公には長井元房という忠義の家臣がおりました。
長井元房には大事に可愛がっていた猫がいました。主人が亡くなった後もこの猫は墓前から離れようとはせず、ついには舌を噛んで主人の後を追ったのだそうです。
ところが、その猫が亡くなったあと、夜ごと悲しげな猫の声が聞かれるようになりました。
その様子を哀れに思った天樹院のお坊さんが供養されると、不思議と悲しげな声は止んだそうです。
この天樹院は明治維新の際に廃寺となりましたが、猫寺こと雲林寺は天樹院の末寺なのです。
そう、猫寺のルーツは主人に忠義を尽くした猫と、その猫を弔ったお寺だったわけです。
猫はよく薄情だとか、三日で恩を忘れるとか言われたりしますから、猫好きとしてはなんだか心がホッとするお話でした。
本堂の中には、ずらりと並ぶ招き猫やたくさんの猫アイテムが。すごい数と種類に圧倒されるほどです。
これらはご住職がお一人で集められたわけではなく、ここまで猫グッズが増えることになったのは、もう一つのルーツのお話へと繋がります。
表や廊下にある猫のお人形や木像・招き猫はとにかくたくさんあり、迫力すら感じます。
猫寺と呼ばれるに相応しい様子なのですが、実は現在の猫寺となったもう一つのルーツは、ご住職が叔母様から譲り受けられた20~30体の招き猫たちだったそう。
ご住職も奥様も猫が好きということで少しずつ増え、次第に話題になり、お寺へ来られる方が寄贈されたりして、さらに増えていったとのことで、中には故人のコレクションだったものも。
猫好きな方たちがお寺に託した大切な人形たちも、こうしてたくさんの仲間たちと一緒に猫を愛する人々に愛でてもらえる。
愛着や思い出のある物たちにはどこか表情があるように思います。
どの子も優しい穏やかな表情をしていて、人形たちにとっても、とても幸せなことだなぁと感じました。
お話を伺っていると、看板猫のアウアウちゃんに会うことができました。(写真1枚目)
ご覧くださいこの、ふっくらとしたボディにほっぺの丸み……キリッとした目元……猫好きならうっとりしてしまう愛らしさ。
雲林寺さんには黒豆ちゃん、アウアウちゃんの他にもたびおくん、シマちゃんがいます。
運が良ければ、みんなに会えるかも?
猫がつなぐ縁は、世界へとひろがるにゃん
にゃんてことにゃんでしょうか、本堂のお隣には、にゃんとこんにゃステキにゃお部屋が!
失礼いたしました。ついつい、猫になりきってしまって……この猫かぶりも地元作家の林隆雄さんの作品。お好みの猫を選んで、被ることができます。
これじゃすっかり気持ちまで猫になりきってしまいます。写真1枚目のように、いっぱいの木彫りのにゃん友達に囲まれてお写真を撮るのもおすすめですよ。
さてこちらの貫禄のあるニャンコ様は……ご住職の角田さんです。お寺のあちこちにある木彫りの猫たちは、それぞれ違う表情で「いるいる、こんな子いるよね」と思わず似た猫を思い出してしまうのではないでしょうか。
こんな風に、いろんな表情の猫たちになりきってみるのもなかなかない経験ですね。
猫好きさんにはたまらない場所なのも納得です。
そしてただ猫に親しむ、大好きな猫のグッズを見るだけではありません。
飼っていた猫を供養してほしい、そんなご依頼も受け付けておられます。
猫だけではなく、亡くなった動物や生き物たちが安らかにあることを願って行われる年に一回の「ねんねん猫供養祭」。
犬や猫、鳥やウサギ、人と共に生活する生き物たちはどうしても人よりも先にその一生を終えます。
人々の思いをこうして受け止めてくださる場所があることは、とてもありがたいと思いました。
お気に入りの猫グッズをゲットして♬
猫寺の楽しみはもう一つ、それはとても可愛らしいグッズの数々のショッピング。
雲林寺ご住職と奥様が描かれる、可愛くてちょっと面白い、オリジナルアイテムや猫モチーフの雑貨がたくさんです。
今回私はぜんそくバッジと、アウアウさんのランチトート、招き猫おみくじを購入させていただきました。お土産にも喜ばれそうですね。
こちらの世界地図は、雲林寺を訪れた方々の出身地を示すもので、訪れた人にシールを貼ってもらっています。(シールまで猫!)
世界中からたくさんの人が訪れていることがわかります。
猫はかわいいから、猫が好きな人は多いから。
確かにそうなのですが、それだけではこれほど広く多くの人々を惹きつけることはできないだろうと思います。
ご住職のお話を伺い、またお寺の中に流れるゆったりとした優しい時間を思うとき、猫を愛する人々の愛情が縁をつむぎ、広がっていったのではないでしょうか。
雲林寺さんでは猫寺について様々なお話を伺うことができ、幸せなひとときでした。
◎臨済宗 雲林寺
住所:萩市大字吉部上2489
電話番号:08388-6-0307
拝観時間:月〜金 9:00~15:00、土日 9:00~17:00
アクセス:萩市街地から車で約30分(県道11号線・13号線を津和野方面)
地元のおいしさがぎゅぎゅぎゅっと!むつみ・キッチンばぁ〜ばで大満足ランチ!
雲林寺さんから車で約5分。のどかな田園となだらかな山の風景の中に、赤茶色の屋根が見えてきます。
むつみ・キッチンばぁ〜ば、と書かれた幟の奥に伺うと、まず目に飛び込んでくるのは、ずらっと並ぶ地元のとれたて野菜たち。
こちらは、直売所「萩・むつみの恵」です。
元気なスタッフさんの笑顔に出迎えられ、なんだかホッとするこちらでは、とれたての新鮮野菜や食材、お弁当、そして地元の方の手作り品が並びます。
見てください、このお値段!大根が一本80円ですよ!!もう一度言います、80円ですよ!!
かしわちゃんもびっくりのお値段じゃないですか。聞けば、たくさん採れた時などは、こんなお値段になることもあるのだそう。
もしも出会えたらラッキーですね。
思わずこれは自然な流れで、夕飯のおかずに!と手に取ってしまいました。
早速いくつかお野菜を購入させていただきました。
直売所の奥にはレストラン「むつみ・キッチンばぁ~ば」が広がっています。
窓の外は自然がいっぱいで、目にも優しい空間です。こちらでいただけるお食事は、地元の新鮮食材を使った自慢の品ばかり。
実は取材に伺ったこの日はとてもさむーい日だったのですが、レストランには常にお客さんの姿がありました。
むつみ・キッチンばぁ〜ばについてお話を伺ったのは、代表の吉松さん。こちらが出来るきっかけなど、色々と伺いました。
当初は「地元むつみを盛り上げたい!地域の方々に美味しいお弁当を配達したい!」というアイディアから始まったそう。
地域のお年寄りを中心に、体に優しくて美味しいものを、との思いで最初はお弁当を作り配達することを考えられていたそうですが、施設の調理員を経験された方など、まだまだ元気な60代の女性たちが手を取り合い、アイディアを出し合う中で今のような形になったのだそうです。
最初は人を集めることからスタートし、何もかもが大変だったそうですが、自治体のバックアップもあり、これまで続けられたのだとか。
そんな温かい人の縁と和によって育まれた「むつみ・キッチンばぁ~ば」。
レストランの場所がちょうどむつみの中心という場所柄にも恵まれたおかげで、人がいつも途切れないレストランになったそうです。
むつみ豚の絶品ランチに舌鼓♬
吉松さんとスタッフさんのおすすめは、山口県萩市のブランド豚「むつみ豚」のロースとんかつ定食と、ミルフィーユかつ定食です。
今回はおすすめされた、むつみ豚のミルフィーユかつ定食(1,550円)をいただきました。
むつみ豚の豚丼もとってもおいしそうだったので、次は豚丼を!と密かに心に決めています。
さてやってきたのは、こちら!じゃじゃーん!
かしわちゃん「おいしそう〜〜」
いや、おいしそう、じゃなくておいしいんです。
鬼〇の刃の某柱ではないですが、うまい!を何回でも繰り返したくなったほどですから、本気のうまさです。
見てくださいこの、ジューシーな豚の油ととろけるチーズ、大葉が一体となった……伝わるでしょうか?
噛むたびに、薄い衣のカリッと同時にお肉のジュワッ、そしてチーズのとろっ……その間に大葉が爽やかに駆け抜けていくんです。この一連の幸せな流れが、一口ごとにやってくるのですよ。
これは……もはや言葉などなんの意味もなさないかもしれません。ご賞味ください。存分に味わっていただきたいのです。
そしてそして、思わずお肉にばかり目が行きがちですが、肝心なのは小鉢です!
お肉のリッチな旨みもたまりませんが、お野菜に染みた出汁がたまりません。お野菜のいいお味がシュッと引き締めてくれます。
そしてまたご飯もおいしい……。ボリュームが結構あると伺っていたので、食べ切れるかな……とちょっと弱気だったのですが、いやいやいや。きれいにすべて完食いたしました。
そんな口福を味わいつつ窓の外へ目を向ければ、広がる緑の大地です。自然の恵み、地元の農産品と、そしてメニューもメンバーの皆さんで工夫を重ねて、出来上がったおいしさなのだなぁとつくづくと感じ入りました。
全てが新鮮でピッカピカの食材たち、お味はもちろんお腹も大満足のお料理。
そして何よりすてきなのは、いらっしゃるスタッフの皆さんの笑顔でした。
是非とも訪れていただきたい、そう思います。
◎農家レストラン むつみ・キッチンばぁ〜ば
住所:萩市大字高佐下2674-76(直売所「萩・むつみの恵」内)
電話番号:0838-88-0808
営業時間:平日11時~13時30分、土日祝11:00~14:00(直売所は平日・土日祝とも8:00~15:00)
定休日:毎週月曜日(祝日・振替休日を除く)※11月~2月は毎週金曜日もお休み
アクセス:萩市街地から車で約30分(県道11号線、13号線を津和野方面)
Column
ひまわりの季節にはむつみフラワーロードに行ってみて♬
むつみキッチン・ばぁ~ばから歩いてすぐのところにある、むつみフラワーロード!
毎年7月下旬~8月上旬にかけて、およそ30万本のひまわりが咲き誇ります。
伏馬山の山すそ一面に広がるひまわり畑の景色は圧巻です!
また、春にはおよそ600万本の色鮮やかな菜の花畑が広がるんだとか…♡
むつみはあったかい、心を繋ぐ場所。
今回初めてむつみを訪れました。
とても印象に残ったのは、心がつなぐ、人の和。
雲林寺さんでもむつみ・キッチンばぁ〜ばさんでも同じ印象を抱きました。
猫への愛情や想いが人々をつなぎ、国内にとどまらず世界にまで広がってゆくのも全てご縁ですし、地元の新鮮食材を使っておいしいものを、と試行錯誤して始められたキッチンばぁ〜ばさんは、人の訪れと笑顔が途切れることのない場所で、とても寒い日だったのですが、本当に心の芯から暖かくなるような、そんな出会いだったなと思います。
是非とも、訪れていただきたいおすすめのスポットです。
- 雲林寺(猫寺)
- 農家レストラン むつみキッチンばぁ~ば
- むつみフラワーロード
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Column
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