周南市の紅葉名所「漢陽寺」!美しい日本庭園に座禅や写経、紅茶店の出張販売まで満喫してきました♪
漢陽寺では、美しい庭園を楽しめるだけではなく、『座禅』や『写経』といったお寺ならではの体験や、定期的に人気の紅茶屋さんの出張販売などがあることをご存じでしょうか?
記事では、魅力たっぷりの漢陽寺の見どころをご紹介します♪
- 池田モト
- 1611pv
漢陽寺とは?
山口県周南市の北部、鹿野地区にある「鹿苑山 漢陽寺」。
臨済宗の寺院で、周防・長門などの守護大名だった大内氏によって室町時代に創建されました。
境内に入ると心地よく静かに流れる水の音が聞こえます
この水が流れ出ているのは、本堂の裏山にある「潮音洞」。
1654年に代官だった岩崎想左衛門重友が鹿野地区の繁栄を目的に、錦川上流の水を引くために造った導水路です。
山口県の指定文化財であり、流れる水は環境省が選ぶ「平成の名水百選」にもなっています。
そんな名水をいかした美しい庭園も大きな見どころの一つ
漢陽寺の庭園の設計・指導は「昭和の雪舟」とも称された日本庭園の権威・重森三玲氏で、様々な様式や主題で作られ、季節によって色んな表情を見せてくれます。
境内のもみじが赤く色づく秋は多くの方が訪れます!
私が取材で伺った11月上旬は、真っ赤に色づいた木もあれば、緑から赤に変わるグラデーションになっている木、まだ全体に緑の葉が多い木など、場所によって紅葉の進み方にばらつきがありました。
2023年の紅葉は11月中旬にピークを迎え、散り紅葉も含め11月下旬ごろまではぎりぎり楽しめそうですよ
四季を彩る美しい日本庭園たちを眺めながら境内をお散歩
漢陽寺にある7つの庭園(うち1つは非公開)を見ながら、境内をゆったりお散歩してみました!
まず境内に入ってすぐ、右手にあるのが桃山時代様式の「曹源一滴の庭」です。
北宋水墨山水画の代表的な中国の画家・玉澗(ぎょくかん)が創作した山水画の画風を日本庭園の様式に取り入れており、玉澗式と呼ばれているそう。
大きな石が力強く並んでいて、私が日本庭園と聞いて最初にイメージした繊細な造りの”日本庭園”とはまた違う、豪快さを感じさせるお庭でした!
ちなみに入って左側には鯉が泳ぐ池があり、池の周りにももみじの木が植えられています。
水面に映る紅葉も、落ちた葉も風情があってすてき!
続いて山門をくぐり本堂へ向かいます。
本堂へ向かうまでにあるもみじたちが、太陽に照らされ、より色鮮やかに見えてきれい~♡
本堂に入って右手に進んでいくと、鎌倉時代様式の「九山八海の庭」が。
九山八海とは仏教における宇宙観のことで、この世の中心には宇宙空間をも超えるような須弥山という孤高な山があり、その周囲を九つの山と八つの海が囲んでいる様を指しています。
このお庭を囲むように植えられているもみじもまたとっても綺麗で、静かな空間でじっくり眺めていたくなる景色です
続いて鎌倉時代様式の「蓬莱山池庭」。
こちらは山裾を利用して苔地の築山を造っていて、潮音洞の水を分流させた流水式の池庭です。
水の流れる音を聞きながらお庭を眺めていると、心が洗われるような気分に
このお庭だけを見てももちろん美しいのですが…
通路を挟んで向かいにある、平安時代様式の「地蔵遊化の庭」と共に見る景色が私のお気に入り
「地蔵遊化の庭」は、地蔵菩薩が子供と遊戯する様子を平安様式の石組みによって表現していて、お庭の四方どこからでも眺めることができる、珍しいお庭だそうですよ。
続いては「曲水の庭」へ行ってみましょう。
曲水の様式は平安時代から鎌倉時代にかけて流行した庭で、「曲水の庭」では曲水を中心に枯山水形式を融合させています。
この日本庭園と、塀の上から見える本堂の周りのもみじの姿は上品な美しさがあり、座って眺めている方も沢山おられました
最後に向かったお庭は「祖師西来の庭」。重森三玲氏の弟子である斉藤忠一氏が造ったものです。
こちらのお庭のもみじは、取材時(11月上旬)はまだまだ青く、境内の他の場所に比べゆっくり紅葉が進んでいるようでした
境内をゆったり歩きながら、一つ一つの庭園を眺めてみると、それぞれの雰囲気の違いがよくわかりましたし、お寺のしっとりした雰囲気に心癒されました
お寺ならではの貴重な体験①「座禅」
漢陽寺では「座禅」や「写経」の体験をすることができます。
私も興味はあったのですが、どちらもなかなか体験する機会がなく、今回初めて体験してきました!
まずは「座禅」から。
観光で訪れる方はもちろん、小学生が学校行事として体験することもあるそうで、初めてでも分かりやすく教えてくださいます。
「曲水の庭」を向き座禅を組み、背筋をスッと伸ばし、腹筋を使ってゆっくりと呼吸。
集中してくると、通り抜けるひんやりした風やお庭を流れる水の音などが心地よく感じられ、ざわざわしていた心が落ち着いて軽くなっていきました
体験時間は全体で約1時間程度ですが、最初の説明を受けた後は、約10分ずつ細かく区切って休憩をはさみながら座禅を組みます。
いきなり長時間集中するわけではないので、初めてでも途中で気が散ることなく体験できますよ
お寺ならではの貴重な体験②「写経」
続いては「写経」を体験しました。
筆ぺんでお経と仏様の絵を丁寧に写し書いていきます。
普段、筆ぺんを持つこともあまりないので、一文字一文字間違えないようにゆっくり書いていると、いつの間にか写すことだけに集中していて、終わったときには心がすっきりしていました
慌ただしい毎日の中でストレスを感じている方も多いと思いますが、漢陽寺で座禅や写経などを体験し、静かな空間で無心になって心を整える時間を作ってみてはいかがでしょうか?
体験は有料で、事前に予約が必要なため、漢陽寺へ問い合わせてみてくださいね。
人気店「5tea pot -山の上の紅茶やさん-」の出張販売も
境内を散歩し、体験もした後は、定期的に漢陽寺で出張販売をしていらっしゃる「5tea pot -山の上の紅茶やさん-」へ。
「5tea pot -山の上の紅茶やさん-」は漢陽寺と同じく周南市鹿野にあり、茶摘みから加工まですべて手作業で、こだわりの和紅茶を製造・販売しています。
(※11月の取材時は店舗での営業はお休み中、再開は未定。漢陽寺のほかにも、岩国市にある獺祭ストア 本社蔵で出張販売をされています。)
茶葉の美味しいところだけを厳選し、丁寧に手間暇かけてつくる紅茶は、紅葉を見に来られた方々からも大人気で行列ができていましたよ♡
私も紅茶とスイーツをいただきました! (※メニューは日によって異なります。)
まず、レモンティーの上にたっぷりのオリジナルチーズクリームがのった「チーズレモンティー ¥650」。
これは…一口飲んでみて驚きました!
紅茶の香りと味がとにかく豊かで深くて、飲み込んだ後も口の中にいい香りがずっと広がっているんです。
入っている生のレモンの酸味も爽やかですし、優しい甘さでコクがあるのにくどくなく、たくさん食べたくなるチーズクリームが紅茶とよく合います!
そして「苺ロイヤルミルクティー ¥560」。
苺のフリーズドライがトッピングされているのですが、受け取った瞬間から紅茶の香りとそれに負けないぐらいのいちごの甘い香りが漂ってきて、これまたびっくり
紅茶の豊潤な香り、ミルクのまろやかな味わい、そこに苺が華やかさをプラスしていてとっても美味しかったです
続いてスイーツ!
「紅茶入り ガトーショコラ ¥400」と「バナナチョコの紅茶マフィン ¥400」。
しっとり口どけなめらかなガトーショコラはかすかに紅茶の香り!
甘いバナナとチョコが入ったふわふわマフィンも上品な紅茶を感じました
コクのある濃厚なチーズの味わいの中にほのかな紅茶が香る「紅茶チーズケーキ ¥450」は、カットされてカップに入っているので食べやすい!
どのスイーツにも紅茶が入っていて、紅茶と相性抜群でした
座っていただけるスペースもありますので、紅葉を眺めながらゆっくり味わってみてはいかがでしょうか?
出店予定や営業時間は「5tea pot -山の上の紅茶やさん-」のInstagramをご確認ください。
四季感じる「漢陽寺」。紅葉の中で癒しのひとときを
紅葉はもちろん、境内を流れる水の音、力強かったり優美だったり…それぞれ雰囲気の違う趣ある庭園に、心が整う座禅や写経、そしてとびきり美味しい紅茶とスイーツ。
たくさんの見どころをゆっくりと周りながら、周南市鹿野の「漢陽寺」で過ごしたひとときは心癒される時間でした!
紅葉の時期はもちろん、夏は新緑、冬は雪景色など四季折々の景色も楽しめますよ。
ぜひ足を運んでみてくださいね
【鹿苑山 漢陽寺】
住所:周南市鹿野上2872
拝観時間 :9:00~16:00
拝観料:400円 ※中学生以下は無料
電話:0834-68-2010
- 漢陽寺
Column
【関連記事】2023山口県おすすめ紅葉名所6選
山口県の紅葉スポットおすすめ6ヶ所を、見頃の時期や周辺スポット情報とあわせてご紹介します。
色鮮やかな紅葉とお寺や神社、渓谷とのコラボレーションは写真映え間違いなし!彩り豊かな紅葉のグラデーションの絶景をお楽しみください。