錦川鉄道で岩国市の錦川沿線を観光!「とことこトレイン」にも乗ってきました!

山口県が日本に誇る清流・錦川。錦川の下流には、岩国市が誇る国指定名勝・錦帯橋がかかっています。その錦川にほぼ沿うように走っているのが、岩国駅〜錦町駅を結ぶ第三セクター鉄道・錦川鉄道錦川清流線です。
山間部の住民にとってなくてはならない生活路線であると同時に、四季折々の風景を車窓から一望できる、素晴らしい観光資源でもあります。
今回は岩国駅を起点に錦川鉄道に乗車し、その沿線の駅の印象をお伝えしつつ、終点である錦町駅近辺、広瀬地区の気になるスポットも色々散策してきました!
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錦川鉄道で岩国市の錦川沿線を観光!「とことこトレイン」にも乗ってきました!

車窓から見える風景も見どころ満載!

乗車する前に、まず初めに錦川鉄道の始まりについて少し。

錦川鉄道は、昭和35年に国鉄岩日線として、川西駅〜河山駅間で開業しました。

つまり開業当時は、岩国駅とも錦町駅とも繋がっていなかったのです!

当時河山駅を終点にしていたのは、周辺に鉱山があり、鉱山需要があったからと言われています。

「岩日線」を名乗っていた理由については、この後改めてご紹介するとして・・・。


JR岩国駅より今回の旅がスタートします。

今回乗車したのは、秋の紅葉をあしらった「せせらぎ号」。

錦川鉄道ではこの他、四季の風景に合わせ、春の桜をイメージした「ひだまり号」、カワセミがあしらわれた「こもれび号」、ホタルをラッピングした「きらめき号」が走っています。

この他、イベント時のみに使用される特別列車「清流みはらし列車」もあります。

錦川鉄道が停車するのは、岩国駅の「0番のりば」!

岩国駅の「0番のりば」は「切欠きホーム」と言われるタイプで、このホームは前述の川西駅から線路が延長され、ホームが追加された名残だと思われます。

切欠きホームとは、長いプラットホームの端の方を削って線路を敷き、ローカル線用などの短編成の列車を発着させるようにしたホームのこと!

岩国駅の0番のりばは、玖珂・徳山方面行JR岩徳線の乗り場である1番のりばの切欠きホームです。

かしわちゃんも珍しい0番のりばに興味津々です(^^)


いよいよ、出発~!

岩国駅を出発し、しばらくは岩国の街中を走りますが、清流新岩国駅を過ぎた辺りから、少しずつ清流・錦川の風景が見えてきます。

錦川鉄道の沿線には、様々な見どころスポットがあり、それを車窓から眺めるだけでも心奪われます。

沿線で唯一往復の車両が行き違う「北河内駅」を過ぎると見えてくる、山手に落ちる2つの美しい滝はおすすめのビュースポットです。

北河内駅と椋野駅の間にある「清流の滝」は高さ25mで、五段滝となっていることが特徴です。

椋野駅と南桑駅の間にある「かじかの滝」は清流の滝よりも落差があるように見えました。 

2つの滝が近づくと、車両スピードを落として、車窓からゆっくりと眺められるよう配慮されています。

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国指定天然記念物「南桑カジカガエル」

かじかの滝近くの南桑駅周辺は、カジカガエルの生息地として国の天然記念物の地域指定を受けています。

南桑カジカガエルは、アオガエルの仲間で、体の色がこげ茶色をしています。

鹿のような美しい鳴き声で渓流に生息しているため、河鹿蛙という名前がついているそうです。


国指定天然記念物「南桑カジカガエル」

南桑駅-根笠駅間には、秘境駅「清流みはらし駅」があります。

こちらの駅は、「清流みはらし列車」などのイベント列車のみ停車・下車できるイベント専用駅のため、普通の定期運行列車は停車しないのです。 

道路から自動車・自転車・徒歩でたどり着ける道がなく、なんと列車のみでしか行けない、まさしく秘境駅なのです!!

建設する際にも、近隣の駅に資材を集め、列車で運びながら作ったそうです。

今回は下車することは出来ませんでしたが、こちらもスピードを落としてくれるので、駅の様子を眺めることが出来ました(^^)


川沿いの斜面に立つプラットホームは、錦川の清流の絶景ポイントを眺望できるように設計されているため、絶景を望めること間違いなしです!

澄んだ錦川と山峡の風景が楽しめる錦川清流線に、ぜひ乗ってみてください♬


詳細は、錦川鉄道会社のサイトをご確認ください!



移りゆく錦川の風景を眺めているうちに、終点の錦町駅に到着!

錦川鉄道のマスコット・ニシキーが出迎えてくれました。

いよいよ今回の旅のメイン「とことこトレイン」に乗車します!

きらら夢トンネルの美しい光景に感嘆!

とことこトレインは、錦町駅と雙津峡温泉駅の間、約6キロを約40分かけて遊覧するトロッコ列車です。

ここで、先ほどお話しした「岩日線」のエピソードが登場します。

錦川鉄道のルーツである国鉄岩日線は、岩国市と島根県の日原駅を結ぶ、いわゆる「陰陽連絡路線」の一つとして構想されていました。構想自体は大正時代からあったようです。

錦町駅と日原駅を結ぶ「岩日北線」の工事は1967年から着工し、トンネル等も含め大半の工事が終わったにも関わらず、1980年に工事は中止。線路も敷設されず、永遠に列車が走ることの叶わない、幻の路線となってしまいました。

その後、遊休化していた跡地の有効活用のため、周辺地域を公園化し、「山口きらら博」で使用されていたタイヤ付き遊覧車を導入、平成14年から遊覧運行するようになったのがとことこトレインです。

2004年には国土交通省から、鉄道活性化部門にて「日本鉄道賞」を授与されています。


とことこトレインの料金は、大人700円(往復1400円)、小人350円(往復700円)です。(2023年10月時点)

清流線を利用した場合は、大人500円(往復1000円)、小人250円(往復500円)の割引価格で乗ることができます♬

時刻表、運行日等の情報は、とことこトレイン時刻表&料金のページをご確認ください!


スタート地点の広瀬トンネル(きらら夢トンネル)は、錦町駅の線路終点の直線上にあります。

トロッコに乗りドキドキの出発進行〜!

\見どころ①きらら夢トンネル/

きらら夢トンネルをしばらく進むと、まるで星空の中、はたまた夢の中に飛び込んだような幻想的な空間が見えてきます!

その極彩色の光の美しさに、心を奪われてしまいました。

これがとことこトレインの名所、光る蛍光石で彩られたエリアです。

ブラックライトで光る6色(赤、青、黄、緑、白、ピンク)の蛍光石を敷き詰めて描かれています。

この装飾は、平成15年に地元の幼稚園、保育園、小中学校の子どもたち、県内の大学生などにより制作されました。

当時の子どもたち・若者たちが、夢や想いをこの装飾に表現したのでしょう(^^)



\見どころ②コウモリトンネル/

二つ目のトンネル内には、コウモリが生息しているエリアがあります。

近づいてきたら、係員の方が天井をライトで照らしてくれます。

暗い中を動いているため、上手く写真が撮れませんでした  

ぜひご自身の目で確かめてみてください!



\見どころ③桜のトンネル/

桜の季節には下の動画のような美しい光景を見ることができます!

川のせせらぎを聴きながら桜を見ることができる贅沢な時間をぜひお楽しみください♪

2023年9月より、とことこトレインの車内放送とBGMが一新されました。

車内放送は岩国高校放送部と外国語研究部が、BGMは岩国市出身のシンガーソングライター・水波月奈巳さんが担当。

水波月さんが歌われるイメージソング「平行線をゆく」は、錦川鉄道公式サイトからプロモーション動画を観ることができます。

錦川のせせらぎの如く、透明感あふれるアコースティックなサウンドを堪能できます。

日帰り温浴施設「SOZU温泉」

とことこトレインの終着駅「雙津峡(そうづきょう)温泉駅」から歩いてすぐのところに、雙津峡温泉を源泉とした日帰り温浴施設「SOZU温泉」があります。

雙津峡温泉の源泉は地下1,000メートルから自噴する天然ラドン(自然湧出)を多く含んでおり、掛け流しの湯が好評です。

お湯は「ぬるつるっ」とした弱アルカリで、体の芯までポカポカと温まり、神経痛、リウマチ、糖尿病、アトピー性皮膚炎などにも良いそうです!

飲める温泉水もあり、カフェスペースSOZU COFFEEでは、温泉水で淹れたオーガニックコーヒーをいただくことができるとか 

山に挟まれた谷合の温泉!自然の中のんびり癒されたい方は、ぜひ雙津峡温泉に浸かっていってください♬


◎施設情報

SOZU温泉

住所:岩国市錦町深川3132

アクセス:錦川清流線ととことこトレインの終着駅「雙津峡温泉駅」から歩いてすぐ

営業時間:4月〜10月:10:30〜18:00、11月〜3月:11:00〜17:30

定休日:木曜日(祝日は営業、振替休館日あり)

入浴料金:大人700円、小人400円(小学生)、幼児無料

お食事:11:00〜15:00

広瀬地区の情報発信ステーション発見!

とことこトレイン復路で錦町駅まで戻り、広瀬地区に移動してみました。

通りを歩いていると「ラヂオ広瀬」と言う看板が目に入りました。

ここは元々美容室だった場所を改装し、YouTubeを通じて、地元の情報を配信している「世界一小さいネットラジオ」だそうです✨

開設してまだ間もないそうですが、今後コンテンツを拡大していきたいとのこと。

「錦まちぐるみ博物館」を散策。

広瀬地区では「錦まちぐるみ博物館」として、街全体を博物館と見立て、街のあちこちに様々な施設を展開しています。

今回はその中の3つをご紹介します。

\ ①広瀬映画館資料館 /

各施設の中で特に目を引くのが、この「広瀬映画館資料館」。

昭和の大スターの写真や広告、レトロなカメラ、そして実際に上映で使われていた映写機などが展示されています。

一歩足を踏み入れたら、過去にタイムスリップした気分になれるでしょう。


◎施設情報

広瀬映画館資料館

住所:岩国市錦町広瀬6697

アクセス:錦町駅出口から徒歩約6分  

開館時間:9:00~17:00

入館料:無料

\ ②観光・鉄道資料館  / 

錦町駅にも資料館があります。「観光・鉄道資料館」では、岩日線・錦川清流線の歩みを写真やジオラマで紹介しています。

精巧なジオラマは、鉄道好きにはたまらないことでしょう!

階段を上って2階に資料館はあります。(写真3枚目)

錦町駅に降りた際にはぜひ足を運んでみてください♪


◎施設情報

観光・鉄道資料館

住所:岩国市錦町広瀬7873-9 

アクセス:錦町駅敷地内

開館時間:9:00~16:30

入館料:無料

\ ③にしき産品ステーションこんにゃくミニ資料館)

錦町の特産品と言えば、何と言っても「こんにゃく」です!

ここでは、こんにゃくの歴史、製造方法、効能など、こんにゃくに関する基礎知識がパネルで紹介されています。

もちろんこんにゃくを購入することもできますよ♪


今回はこの丸い、てづくりこんにゃくをお土産に買ってみました(^^)

炊き込みご飯の具材に使ってみましたが、絶妙な歯ごたえとしっかりした味わいがとっても美味!


こんにゃくの他、わさび、漬物など錦町の特産品を購入することができます!

お土産にもぴったりですので、ぜひチェックしてみてください♬


◎施設情報

にしき産品ステーション(こんにゃくミニ資料館)

住所:岩国市錦町広瀬6695‐4

アクセス:錦町駅出口から徒歩約7分  

営業時間:9:00~17:00
休業日:第2・4火曜日
TEL:0827-72-3180

「錦川せせらぎ散歩道」で末広橋周辺を散策!


錦川沿岸には、せせらぎを感じながら散策できる「錦川せせらぎ散歩道」という散歩道が整備されています。「錦川せせらぎ散歩道」の看板が目印です。(画像2枚目)

散策の際は、錦まちぐるみ博物館のパンフレットをお手元にご準備されるとよいかと思います(画像1枚目)。今回は錦町駅でパンフレットをいただきました。


錦川を渡る「末広橋」付近を歩いていると、優雅に泳ぐ鯉の姿を発見。鯉のえさを買うことができますよ(^^)

橋の上には記念写真を撮ることができるフレームも設置されており、対岸には「鯉の里」の石碑が建てられていました。


「錦川せせらぎ散歩道」の散策では、ご紹介した鯉の他、錦まちぐるみ博物館のスポット巡りはもちろん、桜並木、ホタルなど四季折々美しい景色を楽しめます。 

モデルコースもあるようですので、ぜひ散策してみてください♬

鉄道ファン必見!錦川鉄道は帰り道も見所がいっぱい(^^)

錦川鉄道は帰り道もいろんな見所がたくさんあります。


停車しているイベント列車「清流みはらし列車」、あれは伝説の車両「キハ40」ではないですか!

キハ40は旧国鉄時代に製造されたディーゼル車です。

民営化後は全国の第三セクターなどに譲渡され、今なお現役で使われている車両もあります。

錦川鉄道では、前述の清流みはらし駅に停まる、イベント列車「清流みはらし列車」として運用されています。

元々栃木県で使われていた車両が引き継がれたものだそうですよ。

鉄道ファンにはたまらない名車両ですね!


※2023年11月15日時点では、車両故障のため乗車は出来ませんでした。復旧の状況については、HPをご確認ください。


途中停車駅にも色々特徴がありますよ。

かつて御庄駅と呼ばれていた「清流新岩国駅」の待合室は、過去に使用されていたコンテナ車の車両が使われています。


「西岩国駅」は、かつてはここが「岩国駅」と呼ばれていました。しかし、時代の移り変わりとともに、岩国の街の中心が現在の麻里布町となってきた事から、昭和17年に「西岩国駅」となりました。逆に「麻里布駅」だった場所が、現在の岩国駅となっています。

レトロな洋風建築の駅舎は2006年に国の登録有形文化財になっており、窓の美しいアーチは錦帯橋がモチーフなんだとか。

駅舎の前には、これまたレトロな木炭自動車も展示されていますよ。


いかがだったでしょうか!

美しい景色と、過去にタイムスリップしたかのような施設やまち並みを楽しめる錦川鉄道の旅!

ぜひ皆様にも乗車いただければと思います!

  • JR岩国駅
  • 錦町駅
  • SOZU温泉
  • 広瀬映画館資料館
  • にしき産品ステーション(こんにゃくミニ資料館)

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これまで、ネットラジオやミニFM、コミュニティFM等のパーソナリティ活動を通じて、山口県の情報を発信してきました。これまでの活動で培ってきた情報収集力を活かして、男性初のたびトモさんとして、山口県の魅力を全国の皆さんにお伝えできればと思っています。
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