ふぐはやっぱり本場山口で!フルコースからお手軽ランチまで

ふぐは山口県を代表するグルメのひとつ。さまざまなふぐ料理で食通をうならせてきました。なぜこれほどまでにふぐ食が根付いたのか、歴史背景とともに山口県でのふぐの楽しみ方をご紹介します。本場だからこそ、ちょっと贅沢にフルコースが食べられる店からランチで気軽に楽しめるお店まで、ふぐ料理を堪能できるお店が山口県にはたくさんあります。

ふぐはやっぱり本場山口で!フルコースからお手軽ランチまで

豊臣秀吉が禁止、伊藤博文が解禁!日本の「ふぐ食」は山口県から復活

ふぐは、縄文時代の貝塚からも食べられていた痕跡が発見されているほど、昔から食べられていたお魚です。しかし、ふぐのもつ強い毒素から多くの人が命を落としてきたのも事実。

そして、豊臣秀吉により「河豚食禁止の令」が出され全国的に食べることが禁止されました。しかし、明治時代になり山口県出身の初代総理大臣の伊藤博文がその美味しさに感動し1888年に山口県でのみ、ふぐ食が解禁されたのです。これによりふぐを食べられる唯一の地として下関を中心に「山口といえばふぐ」が定着。今では、免許を持ったものが調理することで全国的に安心して楽しむことが出来るようになりました。

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歴史を変えた下関のふぐ食公許第一号店「春帆楼(しゅんぱんろう)」

伊藤博文が1887年に下関の春帆楼に宿泊していたとき、海は大時化で漁がなく、当時の女将ミチが打ち首覚悟で禁止されていたふぐを御膳に出しました。これがきっかけとなり春帆楼はふぐ料理公許第一号の店となり、広く知られることとなります。当時の伊藤博文の気持ちを回想しながら歴史に名を刻む名店でふぐ料理のフルコースを堪能してみてはいかがでしょうか。

歴史を変えた下関のふぐ食公許第一号店「春帆楼(しゅんぱんろう)」

漁獲量は1位じゃなかった!?だけど下関がふぐで有名な理由

山口県はふぐが有名と聞くと、漁獲量が日本一と思う方もいるかもしれませんが、実はトップ3にも入っていません。では、なぜ山口県はふぐで有名なのでしょうか。それは下関に、ふぐ取扱量全国1位の日本で唯一のふぐ専門卸売市場「南風泊市場(はえどまりしじょう)」があり、日本全国で水揚げされたふぐがここへ集まるからです。

ふぐ食がいち早く解禁された地であったことで毒のある部位を取り除く「身欠き(磨き)」や「皮むき」の技術が高い職人や目利きの鋭い専門業者が多く集まり、ふぐを管理する魚水槽などの設備も充実し、ふぐが下関を通過することでより美味しくより安全な下関直送のブランドとして全国に流通するようになりました。

ふぐの本場で食べる薄造り!料理人の「技」を味わう

ふぐの本場、山口県では調理をする職人たちの技術も歴史と共に磨かれてきました。そんな技を味わう、ふぐ料理の代表格といえば「薄造り」。

ふぐの弾力のある固い身を薄く切ることで顎に負担をかけず味に集中できるようにと、料理人の熟練の技術により生み出された調理法です。

薄く引いたふぐは、鶴盛り、菊盛り、孔雀盛り、牡丹盛りなど見た目も華やかに大皿に盛りつけられます。ふぐで描かれた芸術作品を目で楽しんでから口で噛みしめ、ふぐの歯ごたえと旨味、料理人の技を堪能しましょう。

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ふぐ刺しの旨みを引き出す熟成の「技」も

ふぐ刺しに使うふぐは、鮮度の良いものを3枚におろし、さらしを巻いて冷蔵庫で数日間寝かせます。この熟成期間を経ることで程よく水分が抜かれ旨味成分が増大します。歯ごたえを損なわない見極めと旨味を引き出す手間。ふぐ刺しには華やかに盛り付けられた見た目だけでなく、美味しく食べてもらいたいという料理人の技と仕事がかくされています。

ふぐ刺しの旨みを引き出す熟成の「技」も

ふぐの美味しさを一滴残さず、まるごと味わうなら「ふぐちり鍋」

昆布ダシにふぐの切り身やアラと季節野菜を入れて、土鍋を囲んで楽しむ「ふぐちり鍋」。ふぐのぷりぷりでふっくらとした食感と口の中でほどける深い味わい、ふぐから出るダシで野菜や豆腐もさらに美味しくなり、シメにはもちろん雑炊と、ふぐの美味しさをまるごと味わえる料理と言えるでしょう。

美味しい食べ方のポイントは、ふぐのアラから鍋に入れアクをきれいに取りながら、ふぐの旨みをしっかりとスープに溶け出させること。ふぐの身や野菜をさっと煮ながら食べ進めれば、鍋のスープはさらに旨味が凝縮し飴色になります。この旨味を一滴残さずお米に吸わせ、お好みで少しだけぽん酢をたらして雑炊で。ふぐちりの余韻にひたりながら最高のフィナーレを迎えることができます。

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【雑学】ふぐちり鍋の「ちり」って何?

ちり鍋とは昆布出汁など味付けをしていないシンプルなお湯で魚介や野菜を煮てぽん酢などであっさりと楽しむお鍋の事こと。沸騰したお湯に食材を入れるとちりちりと縮むことからそうよばれるようになったとか。無駄な味付けをしないちり鍋は素材の持ち味を存分に楽しめるので、ふぐにぴったりの鍋といえますね。

【雑学】ふぐちり鍋の「ちり」って何?

ふぐ料理には、もちろん「ふぐひれ酒」がおすすめ

せっかくなら、お酒でもふぐを堪能したい!そんなお酒好きにはぜひ「ふぐひれ酒」を。炙り焼いたふぐのヒレを熱々の熱燗に入れたもので、風味と香ばしさを味わいます。ヒレを入れて数分蒸らしたあと火をつけアルコールを飛ばすことでマイルドな味わいとなり飲みやすくなります。

飲み終わっても、1杯で終わりにするのはもったいない!?ヒレに残った香りや旨味を、つぎ酒といって2杯目の熱燗を追加してもう一杯いただくのも通な楽しみ方。

ふぐの濃厚なエキスが染み出た熱燗はいつもと違った深い味わいでふぐ料理とも相性抜群です。

ふぐの王様「とらふぐ」と女王様「まふぐ」を食べ比べ

ふぐの王様と呼ばれる「とらふぐ」に対し、山口県萩市で水揚げされる「まふぐ」はふぐの女王様と呼ばれ、近年人気を集めています。養殖も多く出回る「とらふぐ」ですが「まふぐ」は市場に出回るすべてが天然もの。「とらふぐ」に勝るとも劣らない旨味をもちながら、価格は「とらふぐ」に比べリーズナブル、濃厚な白子も重宝され、地元の漁師には「まふぐ」に軍配をあげる人もいるほど。

「とらふぐ」と「まふぐ」の食べ比べができる店もあるので、それぞれの持ち味をあなたの舌でジャッジしてみては?

高級魚のイメージを払拭するかも!?本場だからこそ楽しめる味と価格

山口県は気軽にふぐが食べられるお店が多く、スーパーマーケットの鮮魚コーナーにはふぐ刺しが売っているほど市民にとっては身近な食材です。

ランチでも刺身や唐揚げの定食、丼などでふぐを提供している店が多く、居酒屋のおつまみメニューなどでも本場ならではのリーズナブルな価格で堪能できます。

ふぐを食べるために訪れる観光客もいるほど、人々を魅了する高級魚ですが、本場だからこそ楽しめる味が山口県にはあります。

下関の唐戸市場で本場山口のふぐをお手軽に!

ふぐで有名な唐戸市場の名物は、毎週末(金曜~日曜)と祝日に開催される屋台イベント「活きいき馬関街(ばかんがい)」。

ふぐはもちろん、種類豊富なお寿司や海鮮丼が並ぶ海鮮屋台は目移りしてしまうほど。

お天気の良い日は、目の前の関門海峡を眺めながらのランチもおすすめです。

観光客でも買い物を楽しめるのもうれしいポイント。お土産に地元の漁師が獲った新鮮な魚を買う事もできます。

唐戸市場グルメイベント 活きいき馬関街
唐戸市場グルメイベント 活きいき馬関街
お寿司や海鮮丼、ふぐ汁などの海鮮屋台が並ぶ市場ならではの週末限定名物イベント
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ふぐガチャ登場!ふぐの自動販売機も
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市場内にはトラフグが当たるふぐガチャが!ふぐの自販機があるのも本場ならでは
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関門海峡を眺めながら贅沢ランチタイム
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天気が良い日は市場の屋上や周辺ベンチで海峡を眺めながらのお食事がおすすめ
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平日も楽しめる市場内2階のお寿司屋さん
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板前さんが握る人気回転寿司店「海転からと市場寿司」で平日もお寿司をどうぞ
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市場でお買い物!ふぐのお刺身をお土産に
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市場ではふぐのお刺身や唐揚げなどの海産物を購入可能。配送サービスもあり♪
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地元ライターが徹底取材!唐戸市場の楽しみ方

活気あふれる唐戸市場で関門海峡を眺めながらお寿司を大満喫!
市場周辺の見どころとおすすめ散策コースもあわせてご紹介します 。

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