下関・長門・萩を結ぶ観光列車『〇〇のはなし』に、子どもたちと乗ったはなし♪

日本海に沿うように走る山陰線は、本州最西端の美しい海岸線の絶景を楽しめる路線です。
その鉄道旅を最大限に楽しめる観光列車が、新下関駅~東萩駅を結ぶ観光列車『○○のはなし(まるまるのはなし)』!
萩(は)、長門(な)、下関(し)の3つの地名が潜んだ名前には、この地で出逢うたくさんの〇〇(景色、歴史、食べ物、人…etc)の「はなし」をお土産にしてもらいたいという願いが込められているそうです♪
窓がとっても広くて景色を楽しみやすい座席配置、さらにビュースポットで停車してくれたりすると聞いていて、いつか乗ってみたいな~と思っていた『〇〇のはなし』。
ママ友と、1歳~7歳まで総勢5人の子どもを連れて楽しんできた「はなし」をお届けします!
さてさて、どんな旅になるのかな?
サキエ
サキエ
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下関・長門・萩を結ぶ観光列車『〇〇のはなし』に、子どもたちと乗ったはなし♪

※記事内で紹介している時刻・停車駅・車内サービス等は記事公開日時点の情報です。最新情報はJRおでかけネットでご確認ください。

観光列車『〇〇のはなし』に乗るには?

観光列車『〇〇のはなし』は基本的に土日祝に運行しており、新幹線も停車する新下関駅→東萩駅が往路、そこから折り返して新下関駅に戻る復路の、1日1往復が運行されています。


停車駅と時刻はJR公式サイトをご確認ください。


乗りたい区間の乗車券に加えて、座席指定券(おとな530円、こども260円 )を購入する形なので、全行程乗って東萩駅での停車時間の1時間超を過ごして往復するのもアリだし、目的地までの区間を乗るのもアリだし、1区間だけ乗るのもアリなんです!


また、乗車券と座席指定券は乗車日の1か月前から全国の主要な駅の「みどりの窓口」または「みどりの券売機」、そして旅行会社などで購入できます。

私は長門市駅の「みどりの券売機プラス」で購入したのですが、オンライン画面でオペレーターが対応してくれたので、空席状況や車内のことなどを聞くことができました。

海側の座席は人気で、早く予約が埋まってしまうそうです!

子連れであることなども丁寧に相談に乗っていただきながら、ほとんど遠隔操作してもらい(笑)購入することができました  


そしていよいよ当日!

今回は新下関駅→長門市駅の約2時間の区間を乗りますが、はたして1歳~7歳までの5人の子どもたちはどんな風に過ごすのでしょうか?(笑)

新下関駅に着くと、『〇〇のはなし』ののぼりや看板があちこちにありました。

「これから乗るんだ!」と子どもも大人もドキドキ期待を膨らませながら、ホームへ向かいます。

新下関駅を出発!

「まだかな~」

そわそわする子どもたちと、『〇〇のはなし』の看板の前で記念撮影をしていると…

キタキタ!

右側の緑色の車両が『〇〇のはなし』です!

(復路は赤色の車両が先頭になります。)


山口県の県の花「夏みかんの花」と下関市の花「はまゆう」をシンボルにしたデザインの車両がやってきました♪

列車は2両編成。

1号車は和風(西洋が憧れる日本)、2号車は洋風(西洋に憧れた日本)をコンセプトに内装が分かれており、私たちは2号車で洋風のお部屋…じゃなかった車両でした(笑)。

内装がふつうの電車と違うので、子どもたちは「なんだかホテルに来たみたい♪」とそわそわ…

そんな中、新下関駅を9時58分に出発~!

早速の停車駅、下関駅では車窓の向こうで、駅員さんたちが総出で手を振ってくれているではないですか!  

私たちは山側の席でしたが、どこに座っても窓がとっても大きいので、海山両方の景色がよく見えました。

(窓を入れて写真を撮るなら、山側の座席の方が撮りやすい点がよかったです。)


子どもたちは車窓からの景色に興味津々、窓の外を見て見つけたものを一生懸命報告してくれます(笑)。

「クレーン車あったー!」

「船!船!」

「あー!ここ知ってる!来たことある!!」下関の大丸やね…(笑)

子ども5人いるとなかなか騒がしい(;'∀')

しかし、『○○のはなし』は古いディーゼル列車をリニューアルした車両(キハ47系)のためけっこうエンジン音が大きいことと、車内放送でアナウンスや音楽なども常に流れているので、子どもの声だけが浮くって感じはあまりしなくてほっとしました  

そして、他の乗客のみなさんが温かく見守ってくださったり、海側の座席の空いてるところにおいでと声をかけてくださったりと、乗客の方同士の交流があるのも嬉しかったです。

車内を探検♪

しばらくして慣れてくると、子どもたちは動き出す!

それでは、と車内を探検してみることに♪


となりの1号車を除いてみると、こちらは和風。

足元に畳床があって、靴を脱いでリラックスできるようになっていました  


名産品の展示ショーケースや土産物の販売カウンターがあり、こちらでは予約しておいたお弁当の受け取りができます。

現在はドリンクの販売などは行っておらず、地酒(2合)の販売のみしているとのことでした。

飲料水など必要なものは持ち込みすることをおすすめします!

(後ほど書いていますが、お昼ごろに駅に併設されたカフェに停車する際に、軽食とドリンクを購入し車内に持ち帰ることはできます。)


立って景色を眺めたりできるカウンターも数か所にありました。

自席からちょっと違う場所で外を眺めたりできるので、動き回りたい子どもたちと一緒に動き回れるのはありがたかったです。

もちろん、お手洗いもありますよ!

立ちカウンターの下部につかまって、外を見る3歳児…♡

お姉ちゃんは、『〇〇のはなし』オリジナルスタンプをみんなの分押してあげたり。

裏がハガキになっていました♪

ビューポイント特別停車!

市街地から山間部を走り、日本海側へ。

小串駅周辺は、山陰線の最西端区間。

切り立った沿岸ギリギリを走るので窓のすぐ下が海というような場所もあって、みんな「おお~!!」と声をあげながら下を覗き込んだり、景色を堪能!

このあたりの海は透明度が高いので、海底まで見えます!

カメラが手放せません  

こちらは「二見夫婦岩」。

駅でもない場所で電車が停まって、写真を撮らせてくれるなんて、なんともスペシャル♪

ふつうは、どこかへ急いで行くために乗る電車だけど、こののんびりした感じがたまらなく心地よかったです。

「みすゞのふるさと弁当」を車内で受け取り!

『〇〇のはなし』では、オリジナルのお弁当を事前予約して車内で受け取ることができます。

往路は2種類のお弁当があり、私たちが乗車した3月のお弁当は下関の料亭「古串屋」の「みすゞのふるさと弁当」でした。(復路はおつまみセット、スイーツセットが選べます)

(予約方法や種類については、「JRおでかけネット 〇〇のはなし」サイトをご覧ください。)

「古串屋」は、幕末の志士・高杉晋作にゆかりがある老舗の料亭で、下関の「ふく」をはじめウニや鯨など、周辺海産物がふんだんに使われておりとっても贅沢な内容でしたよ♪


この日の内容は、



出汁巻、長州鶏焼き鳥、甘鯛若狭焼き、蒲鉾、ウニバター焼、ふくあられ揚げ、あじ南蛮漬け、筑前煮、イカゲソ辛子味噌掛け、菜の花、ナス田楽、山口県産豚フライ、鯨煮、紫蘇わかめご飯、鶏五目ご飯、奈良漬け、夏みかん寒天寄せ



品数もすごいけど、お味も丁寧で美味しくて…

流れる景色を眺めながら、山口の「食のはなし」に想いを馳せました…  

カフェに停車!?

『〇〇のはなし』で最も長い停車は、なんとカフェ!

阿川駅に直結するように建つ人気のカフェ「Agawa」に立ち寄れるようにしてくれています♪


ホームと駅の外に仕切りがないので、とっても広々!

子どもたちも外に出て、『〇〇のはなし』のボディを眺めたり、陸橋に登って全体を撮影したりすることができました。

カフェ「Agawa」では、阿川のみかんジュース(500円)やコーヒー(アイス/400円、ホット/350円)などがあり、車内に持ち帰っていただくことができます。

もちろん、カフェにも飲食スペースがあるので出発時間まではそこでも飲食できますが、とりわけ乗客のみなさんに人気だったのが…


萩チョンマゲビール(800円)!


お酒だって楽しめる♡これぞ鉄旅♪


出発の際は、カフェ「Agawa」の方や、近隣の住民の方までもが、手を振ってくださっていました♡

こういうのって嬉しいですね。

ほっこりあたたかいものが記憶に残りそうな予感♪


車内に持ち帰って、黄金色の向こうに車窓を映し出してご満悦のワタシでした…  

線路はつづくよどこまでも♪

阿川駅を11時38分に出発すると、今回の長門市駅までの『〇〇のはなし』の旅も終盤へ。

列車は油谷湾にさしかかり、美しい海の色と、海岸線の造形美を楽しみながら、めくるめく車窓にみんな釘付けです!


ただこのあたりから、子どもたちがちょっと飽きてきたので、さすがママ友!ささっとバッグの中から出てきたのは、折り紙や、お絵かきえんぴつ♪

1歳児も折り紙を折ったりしながら、ときおり車窓を楽しみます(笑)。


人丸駅に停車!

何人かの乗客の方は急いで外へ出て、陸橋から写真を撮ったり、駅舎前の鳥居(有名な元乃隅神社をイメージしたオブジェ)を見学しに行ってました。

私たちは戻れる自信がなかったので、stay!(笑)

長門市駅到着前のビューポイントでは、青海島の景色が見えてきました!

長門市駅に到着!

12時16分、長門市駅に到着!

ホームに降りると、長門市駅の駅員さんたちと一緒に、私たちもまだまだ旅を続ける乗客のみなさんたちへ、そして『〇〇のはなし』へ、手を振りました。

子どもたちも一生懸命手を振って、

「ばいばーい!!」


2時間18分の鉄道旅。

たっぷりと大満足!

でも…意外にあっという間でした!

景色もどんどん変わるし、途中停車や、途中下車ができたりの工夫で、子どもも大人も常に楽しめましたよ  

でも、小さな子どもたちにはこれが限界だったかなー(笑)


子どもたちとの列車旅を無事に終えてほっとしたような、終わってしまって寂しいような気持ちとともに、ホームを後にしました。

観光列車『〇〇のはなし』で、見て・聞いて・感じた「はなし」とは…

萩・長門・下関を結ぶ本州で一番西のはじっこの観光列車『○○のはなし』。

車内でのサービスや各駅でのおもてなしが、乗る人をあったかい気持ちにしてくれる列車でした。

そしてやっぱりなんといっても、山陰線沿岸の日本海の美しさといったら…!!!これは本当に必見です。

また違う季節や、違う区間などにも乗ってみたいなぁ。


列車というと"移動手段"の一つではありますが、観光列車には"乗ること"自体を目的にしたたくさんの楽しみが詰まっています。 

景色、食、酒(笑)、交流、そしてただただぼーっとするなど…


そこで今回、私たちが『〇〇のはなし』に乗ってみて見つけた「はなし」ってなんだろう?って考えてみると…

すぐに浮かんだのは、「線路のはなし」!

ディーゼルエンジンの「ゴーっ」という音や、古い車両のためか線路の「ガタンゴトン」という音がよく聴こえていたのがとてもノスタルジックでいい感じだったのです。(都市部ではほとんどが「電車」ですが、地方ではまだまだディーゼル列車が走っています。)

この風光明媚なルートに線路がひかれてから、どれだけの人がこの景色に感動してきたんだろう~! その歴史をこの線路は見てきたんだろうなぁ…

「ガタンゴトン」とそれを線路が物語ってくれているような「線路のはなし」  が余韻として残っています。


乗っている間の楽しみ方は十人十色♪

みなさんもぜひご乗車ください。

それぞれの「はなし」にきっと出逢えると思います♡

Column

『〇〇のはなし』は車内イベントもいろいろ♪

『○○のはなし』の車内では、沿線の「はなし」を感じられるような催し物やおもてなしが、区間や運行日によって開催されているよ!

例えば…2023年2月は、"長門市出身の童謡詩人「金子みすゞ」の紙芝居"や、"下関に関する〇×クイズ大会「下関のはなし」"などが披露されていたんだって!


詳しくは、公式サイトをチェックしてね♪

『〇〇のはなし』は車内イベントもいろいろ♪

この記事を書いた人

サキエ

神奈川県で生まれ育つ。20代で海外一人旅にはまり、30代で三重県熊野地方に移住。熊野古道ガイドをしながら地域密着型セレクトショップ「木花堂」を開業。休日は海に潜るか山に登るかのどちらかでした。結婚後、夫の故郷山口県へ引っ越し、40代は育児を楽しみながら、自営業でお弁当作りと草編み作家活動をしています。人生を豊かにする旅やおでかけのきっかけとなるような記事を、子どもたちと一緒に大好きな山口県から発信します!

サキエ