金子みすゞの故郷、長門市仙崎を散策!みすゞの詩の世界観にもっと入り込めるガイドウォークがおすすめ♪
今回は、ながとボランティアガイド会が通年開催しているガイドウォーク『金子みすゞの“こころ”をめぐるガイドツアー』 を体験してきました。みすゞ通りや金子みすゞ記念館をはじめ、コースの詳細や見どころをたっぷりお届けします。
- FUTOSHI
- 255pv

金子みすゞの足跡をたどるガイドツアー「仙崎まち歩き」!
仙崎まち歩きは「ながとボランティアガイド会」の方が、金子みすゞさんゆかりの地を案内してくれるガイドツアーです。ガイドツアーの所要時間は約2時間で、約3㎞のコースを歩きます。
地域愛があふれるガイド会の方は、街の至る所にある名スポットを余すことなく案内してくれるんですよ!
仙崎の街に詳しい地元のガイドさんなので、各スポットの詳細情報や、今では知り得ない昔のお話など、楽しく聞かせてもらえます
■金子みすゞの"こころ″をめぐるガイドツアー(まち歩き+金子みすゞ記念館)
料金:ガイド料2,000円+参加人数×450円(小中高生は150円)
所要時間:約2時間
最小催行人数:1名
定員:10名
※小学生以下のお子様は記念館のチケット代無料
集合場所は道の駅センザキッチン内にある「観光案内所YUKUTE」!
まるでカフェに居るような、オシャレな造りになっています♪
受付で、金子みすゞ記念館の専用チケットや案内マップが入った袋を貰った後、ガイドさんからコースの概要を説明してもらって出発です!
道の駅センザキッチンから通りに出るとすぐにエリアマップが設置されていました。右下にあるQRコードは、スマートフォンで読み込むと長門市の最新観光情報を確認することができるんですよ♪
まち歩きコース①仙崎駅
まずは仙崎駅に向かいます!早速、みすゞさんの詩が書かれた壁がありました。
また、所々にみすゞ通りや記念館までの案内表示があるので、初めての方でも安心してたどり着くことができますよ
長門市のご当地マンホール!観光船と松が描かれています。
仙崎駅に到着!
温もりのある木造風の駅舎やレトロなポストが、どこか懐かしい雰囲気を醸し出していませんか?
中に入ると、大きなみすゞさんのモザイクアートが目を惹きます。
ガイドさんによると、このモザイクアートは、かまぼこ板約2万枚を使用しているそう!駅舎の壁全体に敷き詰められており、近くで見るとひとつひとつの板に地元の方や観光客によるメッセージが書かれているんですよ!
実は長門市は、昔から漁業やかまぼこ生産などの水産加工業が盛んな地域。独特の「焼き抜き」という製法で作られたプリプリ食感のかまぼこは、県民からの人気も高くお土産にもおすすめです♪
ホームの壁にはクジラが優雅に泳いでいる絵が描かれています。
こちらの壁画は、長門市在住のイラストレーター尾崎真吾さん監修のもと、仙崎小学校の児童たちが描いた絵画なんですよ!
仙崎駅には、なんと無料で入れるギャラリーがあるんです!
引揚港として指定されていた仙崎港の歴史や、地元仙崎出身の作詞家・大津あきらさんの回願展が行われています。大津あきらさんは、中村雅俊「心の色」、高橋真梨子「for you…」、徳永英明「輝きながら…」 など、数々のヒット曲を生み出されました。
奥には、尾崎真吾さんの絵画と共にみすゞさんの詩が描かれた作品も展示されていました。
尾崎さんの柔らかいタッチで描かれた絵により、みすゞさんの優しい詩の世界観が伝わってきませんか
まち歩きコース②みすゞ通り
仙崎駅の正面から北へ約1㎞にわたって延びる通りが「みすゞ通り」です。
自動車も通る道ですが車両は一方通行なので、とても歩きやすい通りになっているんですよ♪
ここにもモザイクアートを発見!
みすゞ通りには地元の方々が描かれた、みすゞさんの詩や絵画の作品があちこちに展示されているので、探しながら読み歩いてみるのも楽しいですよ♪
銀行のシャッターにも詩が描かれていました!
通りに面したこちらの家、なんと大津あきらさんの生家なんです!
壁には作品一覧や直筆原稿を抜粋した展示物が飾られています。
有名な詩人が生まれる仙崎は、詩心あふれる街なのかもしれませんね♪
家の横に回ると、大津あきらさんの大きな似顔絵が!
みすゞ通りは、地域の人たちの、縁のある人への深い思いやりが伝わる、とても温かな通りでした♪
まち歩きコース③金子みすゞ記念館
仙崎駅からみすゞ通りを400mほど歩くと、壁いっぱいに広がるモザイクアートが見えてきました。
通りを挟んで正面が、金子みすゞ記念館です!
こちらの記念館は、みすゞさんが幼少期を過ごした金子文英堂(書店)の跡地に、当時の資料を基に復元された記念館なんですよ!
記念館の金子文英堂側に入ってみると、みすゞさんが20歳まで過ごした場所がそのまま再現されています。
「家財や家の大きさから、金子家はとても裕福な家庭だったと言えます。」とガイドさん。
奥に進むとお風呂や井戸があり、それに因んだみすゞさんの詩も一緒に展示されています。
詩を読んでみると、みすゞさんの純粋な心が感じれたようでほっこりしました
本館内にあるモザイクアートは12万人の顔写真を使用して作成されているんです!
■金子みすゞ記念館
営業時間:9:00~17:00(最終入館16:30)
年中無休(臨時休館あり)
まち歩きコース④モザイク画プロジェクトM20000
記念館から更に北へ150mほど進むと、金子みすゞモザイク画の看板が見えてきます。何やらみすゞさんの詩「大漁」の世界観が表現されたアートが見られるのだとか!
案内に従って進むと、正面にみすゞさんの肖像画が描かれた建物がありました。
中には壁面いっぱいに描かれたモザイクアートがありました。
かまぼこ板2万枚を使用しているだけあって迫力があります!
こちらのモザイクアート、実はちょっとした仕掛けがあるんです。
入口に設置されたスイッチを回すと!
みすゞさんの詩と共に魚が浮かび上がってくるんです!
ブラックライトに反応して見えるモザイクアートは、幻想的なみすゞさんの詩の世界に入り込んだよう♪
まち歩きコース⑤金子みすゞブロンズ像~遍照寺
通りを進んでいると、和風庭園のような場所にみすゞさんのブロンズ像が設置されていました!
金子みすゞ像は、全国各地から集まった940万円の寄付により製作されたんですよ。ほぼ等身大で制作されたというブロンズ像は、みすゞ通りを温かい眼差しで見守ってくれているようですよね
ガイドさん曰く、2015年の除幕式には、みすゞさんの娘の上村ふさえさんや安倍晋三元首相も式典に来られたそうです。
ブロンズ像の土台には、安倍元首相の直筆書体で書かれたみすゞさんの詩が彫ってあるんですよ!
金子みすゞ像から350mほど進んだ場所に、立派な門構えの遍照寺があります。
遍照寺はみすゞさんの墓所があるお寺で、毎年3月10日のみすゞさんの命日にはたくさんの人が法要に集まるそうですよ。
木造の山門が印象的な遍照寺ですが、本堂は火災を乗り越えてコンクリート造で再建されたそうですよ。
みすゞさんのお墓は本堂を正面に見て左側にありますが、案内表示があるのですぐに分かります!
まち歩きコース⑥瀬戸~八坂神社
みすゞ通りの突き当り、仙崎瀬戸が見えてきました!
正面に見えるのが青海島で、現在は青海大橋により行き来が簡単になっていますが、みすゞさんの時代は詩にも記されているように渡し舟での行き来だったんですよ。
鳥居の見える場所が弁天島。海路安全や漁業振興を願った場所なんです。
八坂神社はみすゞさんの詩「祇園社」ゆかりの神社なんです!
仙崎湾の埋め立て前には、灯篭の位置までが海だったんですよ。
道の駅センザキッチンの第二駐車場に設置されたモザイクアートは、眺める角度によって絵柄が変わる立体モザイクアート!
正面から見ると2つのみすゞさんが見えますが、側面から見ると各々のみすゞさんが背景と共に現れるんです。
金子みすゞの世界に浸る!仙崎まち歩きは見どころ満載
約3㎞のコースを歩いて、道の駅センザキッチンに帰ってきました。
2時間半のガイドツアーは仙崎の街をたっぷり楽しませてくれました♪金子みすゞさんや大津あきらさんなど、仙崎から生まれた詩人を地域の方がとても大切にしていることが伝わりました。
ガイドさんから、パンフレットにも書いてない隠れスポットや、歴史的背景にあるお話なども聞けるので、これから楽しみたい方は仙崎まち歩きがおすすめですよ♪
長門市では今回ガイドをしてくださった「ながとボランティアガイド会」 はじめ、各地域で様々なガイド団体さんが活動されており、まちの魅力を分かりやすく解説してくださいます。
長門市の名所をガイドしてくれるツアーがたくさんあるので、興味のある方は是非参加してみてください!
Column
山口県のおすすめガイドウォーク
古地図を片手にまちを歩こう|ガイドと歩く山口県歴史ツアー
江戸時代の美しい古地図が豊富に残る山口県。
これらの古地図を眺めながら、山陽道や石州街道、萩往還などの街道の面影が残る道筋や、城下町、港町、宿場町などの町並みを、地元ガイドの案内で散策する歴史ツアーが楽しめます。
古地図に記された道筋と現在を見比べながら歩けば、往時の街道や町並み、人々の暮らしぶりに時間を超えて出会うことができます。
古地図を片手に、あなたも江戸時代のまちへ。
