山口銘菓「ういろう」って?名古屋&小田原との違い、県内おすすめ店を徹底解説!
【NHK総合あさイチで紹介されました】
2024年6月27日(木)放映のあさイチ「愛(め)でたいnippon いま行っておきたい!山口」で、御堀堂の外郎と新感覚のういろうドリンクが紹介されました。
山口観光のお土産に人気の「外郎(ういろう)」。モチモチ&プルプルな食感が特徴的な伝統銘菓です。名古屋や小田原のういろうも有名ですが、山口ういろうは独自の特徴があると知っていますか?ういろうの歴史や地域ごとの違い、人気店やういろう作り体験をご紹介します。
「外郎(ういろう)」って何?
もっちりとした食感と優しい甘さが特徴の外郎(ういろう)は、米粉や小麦粉などに砂糖や水を練り混ぜ蒸した和菓子。抹茶や黒糖、季節の果物などを加えたバリエーション豊かな味を楽しめるのも人気のポイントです。棒状が多いですが、地域によっては小豆をのせて三角に切った「水無月(みなつき)」や笹の葉で包んだ「外郎ちまき」も親しまれています。
ういろうの起源は、室町時代に中国から帰化した外郎家が考案したといわれています。初祖が中国にいた頃の官職名にちなんで「外郎」と名乗りました。外郎氏が作る薬は「薬のういろう」、国賓の接待用に二代目が考案した菓子も「お菓子のういろう」と、家名から愛称で呼ぶようになったようです。
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「羊羹」とは別物!
ういろうと羊羹(ようかん)はそっくりな見た目ですが、原材料と食感が全く異なります。羊羹は小豆などで作った餡を型に流し込み、寒天で固めたもの。一般的な「練りようかん」は小豆の味わいが引き立つ滑らかな食感です。
山口、名古屋、小田原のういろうは何が違う?
ういろうの名産地は山口だけではありません。「名古屋ういろう」や「小田原ういろう」も、全国的に有名です。
名古屋や小田原は米粉を原料に使用しているので、ずっしりとした重厚感が特徴。口に運ぶとお米の優しい甘みを感じます。そのもっちり感はお餅に近く、楊枝や包丁で綺麗に切るのに一苦労するほど!元祖の味を守り続ける小田原と、フォトジェニックでおしゃれな商品も多い名古屋。どちらも全国にファンが多い銘菓です。
一方、山口は原料に「わらび粉」を使用しているので、まるでわらび餅のようなプルプル食感!水羊羹のような、思わずツルっと食べてしまう口当たりの良さが特徴です。弾力がありプルンとしているので、楊枝でスッと切り分けられます。ういろう独自のもっちり感が苦手…という人にこそ食べていただきたい逸品です。その独特のなめらかさは「おっとり」と表現され、甘さ控え目の上品なお味。
山口でわらび粉が使われるようになった理由は諸説ありますが、当時はお米が大変貴重で、原料の米粉を庶民が手に入れるのは簡単ではありませんでした。上質なわらび粉が多く生産されていた山口では、代わりにわらび粉を使うようになったようです。
現地で購入するなら「生ういろう」がおすすめ!
「生ういろう」とは、蒸した後そのまま包装したういろうのこと。通常のういろうと異なり日持ちは2~3日と短いですが、モチモチ感が特に強く大人気!通販での購入も難しく、現地でしかゲットできません。
お土産用に買うなら日持ちする真空パックの通常ういろうが便利ですが、自分用やすぐに手渡せる人には、「生ういろう」にしてはいかがでしょうか?
購入した生外郎は冷蔵庫に入れると硬くなってしまうので、常温保存がおすすめです。温めても、もっちり感が増して美味しいですよ。
※「生ういろう」の定義は各社によって異なります。
県民なら知らない人はいない⁉「御堀堂(みほりどう)」
山口ういろう発祥の店「福田屋」の製法を受け継ぐ老舗店。お味は白外郎・黒外郎・抹茶外郎の3種類!こだわりの餡に極上の本わらび粉と小麦粉を練りこみせいろで蒸し上げる昔ながらの製法は、シンプルながら上質で、山口県では贈答品の定番として親しまれています。
「白外郎」は室町時代にはじめて創られた、山口ういろうの”元祖”。庶民だけでなく当時の殿様も好み、「毛利の殿様外郎で茶を飲む」と詠われるほどでした。対して「黒外郎」は御堀堂創業時に創られた、山口外郎発展の象徴。沖縄産の黒糖が練りこまれ、豊かなコクが特徴です。
”おっとり”した優しい味のういろうは、山口の雰囲気をそのまま表したよう。店舗では蒸したてをトラ紙にくるんだ「生外郎」も販売しています。県内各地の土産物店や百貨店でも取り扱っているので、室町時代の伝統を今に伝える御堀堂のういろうを、ぜひご賞味ください。
山口ういろうの系譜を継ぐ「豆子郎(とうしろう)」
社名にもなっている「豆子郎」は、独自の歯触りと口どけを兼ね備えた生地に豆を混ぜて蒸しあげた和菓子。小豆に大納言を、抹茶に白小豆をしのばせた蒸したての「生絹(すずし)豆子郎」は、まさに絹のようなみずみずしい味わい!日持ちするよう密閉された「簾子(れんじ)豆子郎」も、電子レンジで温めて食べることで蒸し立ての味を楽しめます。
本店に併設された茶房「豆子郎の里 茶藏庵」は、豆子郎や季節のお菓子をいただける癒しの空間。美しい日本庭園を眺めながら、お抹茶セットやあんみつでほっと一息つきましょう。
「豆子郎さん通りゃんせ♪」と耳に残るCMソングも、山口県民にはお馴染み。創業以来、試行錯誤を重ね日々進化していく豆子郎。その日に蒸し上った豆子郎をその日のうちに提供する、という創業精神を継承し、現在は直営店とオンラインショップでのみ購入できますよ。
まだまだあります!山口ういろうを買うならココ!
県内には山口ういろうの販売店がたくさん!定番の小豆や抹茶味をはじめ、季節限定商品や大きめサイズのういろうなどバラエティ豊かです。今回は、なかでも代表的なういろう販売店をご紹介します。
「本多屋」と「きれん製菓」はオンラインショップもあるので、お取り寄せも可能です!
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飲む外郎⁉ 新感覚のういろうドリンク
国宝瑠璃光寺五重塔からほど近い土産物屋「長州苑」に併設された「5縁カフェ(GOEN CAFÉ)」では、外郎ベースのドリンクが販売されています。小豆を感じるトロトロのういろうにクリームと黒蜜がたっぷりかかった「飲む外郎」は、甘すぎず飲みやすい!テイクアウトして、公園散策のお供にいかがでしょうか?
ういろう作り体験に行ってみよう!
山口市を訪れたらぜひ足を運びたいのが、自分だけのオリジナルういろうを作れる「ういろう作り体験」。餡やわらび粉などの材料を混ぜ合わせるだけなので、大人はもちろん子供も簡単に作れちゃう!生地を型に流したら、お好みで小豆や栗をトッピング。教えてくれる職人さんに美味しくなるコツを聞きながら作るのも楽しい時間です。
1時間ほど蒸して冷ましたら、いよいよ完成!湯田温泉に宿泊すれば、宿に配達してもらえるサービスもありますよ。自分で作ったういろうはモチモチの食感にトッピングがアクセントとなり、たまらない美味しさ。ぜひ体験してみてくださいね。
【蕨菓匠 本多屋 本店 懐古庵】
083-925-1600
実施日:月・火・木・金・土曜日
※GW、8月・年末年始(12月22日~1月4日)を除く
※ご予約は3日前まで
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地元ライターが行ってみた!
歴史初心者もOK♪西の京・山口で可愛く美味しく楽しい大内文化に触れてみませんか?
室町時代に大内氏が本拠地としたことで発展し、西の京とも呼ばれた山口市。今回は歴史が好きな方はもちろん、詳しくない方でも大丈夫。可愛く!美味しく!楽しく!気軽に大内文化に触れられるスポットをご紹介します♪