ふぐだけじゃない下関グルメ!クジラにアンコウ…珍魚パラダイス⁉
唐戸市場で有名な下関は、海鮮グルメの宝庫。「下関のふぐ」は全国的な知名度がありますが、実はクジラやアンコウなどの珍しい海の幸も日本一だと知っていましたか?他では滅多に食べられない高級魚も、下関ではご当地グルメとして気軽にいただけます。下関が誇るバリエーション豊かな絶品料理を、ランチにディナーにいかがでしょうか。
【イベントもチェック!】
【クジラ】なぜ下関ではクジラ食が盛んなの?
海に囲まれた日本では、古来からクジラを食べる風習があったと言われています。なかでも山口県の長門や萩周辺は、温かい海へ南下するクジラの通り道だったため、特に江戸時代に捕鯨が盛んに行われました。捕獲されたクジラは、当時商業が活発だった下関の問屋を通じ関西・九州各地へ。下関はクジラの流通と消費の中心基地となり、大いに栄えました。
明治時代になると、大砲で銛(もり)を発射しクジラを捕獲する「近代式(ノルウェー式)捕鯨法」が主流になります。下関に日本初の近代式捕鯨会社「日本遠洋漁業株式会社」が拠点を置いたことから、下関は近代式捕鯨発祥の地として全国に知られるようになりました。
昭和初期には、下関に捕鯨船の建造から流通まで多くの捕鯨関連産業が集まり、「くじらの街」として発展。戦後の食料不足やタンパク質不足に大きく貢献しました。
現在も下関にはクジラの流通基地としての食文化が根付いており、クジラ料理を出す店舗数、クジラ肉の陸揚量・流通量は日本一!国内唯一の沖合商業捕鯨基地として、歴史ある食文化を守り続けています。
Column
クジラのオブジェやマンホールを探してみよう!
下関の街を歩いていると、たくさんのクジラ像に出会います。なかでも関見台公園にあるモニュメントは全長25mと超巨大!他にも「下関市市民広場」のステンレス製のクジラ尾びれのモニュメントや「関門自動車道壇之浦PA」のクジラオブジェも必見です。
また、下関市と長門市共同のクジラシンボルマーク「らーじくん」と、下関の名所がデザインされたマンホールが海響館前や海峡メッセなどに設置されています。街を散策しながら探してみてはいかがでしょうか?
【クジラ】どんなクジラ料理が楽しめる?
クジラ料理の提供店舗数日本一を誇る下関。クジラはほぼ全ての部位を食べられるので、バリエーション豊かな味や食感を様々な料理で楽しめます!定番の「クジラの竜田揚げ」は、給食で出た事がある方もいるのではないでしょうか?部位別にご紹介するので、お好みの一品を見つけてくださいね。
■クジラの部位と食べ方
- 〈赤肉〉 刺身、竜田揚げ、ステーキなんでもOK
- 背、胸、腹からとれる赤身です。刺身はもちろん、様々な加工が可能。昭和の学校給食定番の「竜田揚げ」や、ステーキ、カツの他、下関ではユッケや鯨バーガーなど珍しい料理も目白押し!
- 〈畝須(うねす)〉 鯨ベーコン
- クジラの下顎から腹部にかけて続く、じゃばら状の部位。塩漬けにして茹で、薄くスライスした鯨ベーコンが有名です。新鮮な生うねすは刺身や茹でうねすにしていただくことも。
- 〈尾羽(おば)〉
- クジラの尾びれの部分。ゼラチン質と脂肪が豊富で、コリコリとした独特な歯ごたえが特徴的です。尾羽を薄くスライスして茹でた「さらし尾羽」は、酢味噌をつけてさっぱりいただきましょう。
- 〈さえずり〉 刺身、煮物、おでん
- クジラの舌。その美味しさは牛タン以上⁉ 深みのある出汁がとれ、加熱するとトロトロになるので煮物やおでんの具にもピッタリ。茹でてポン酢で食べても美味しくいただけます。
- 〈尾の身〉 刺身
- クジラの大トロと言われる最高級部位。背びれから尾の付け根にかけた、背中側の部分です。脂が霜降り状に乗った尾の身は絶品!シンプルにお醤油をつけ、刺身でどうぞ。
- 〈本皮〉 汁物、煮物
- 脂肪分とゼラチン質で構成された本皮は、コラーゲンたっぷり。食感のアクセントもあり、汁物や煮物、おでん等に人気です。野菜と出汁で煮込み味噌で味付けした「くじら汁」は必食!
- 〈かぶら〉 松浦漬け
- クジラの上顎の軟骨。細かく刻み酒粕に漬け込んだ「松浦漬け」は珍味として有名です。コリコリとした食感と酒粕のほのかな甘味がたまらない!ご飯のお供に、お酒のおつまみにいかがですか?
Column
「唐戸市場」ではクジラのお寿司も食べられる⁉
下関の人気スポット「唐戸市場」で週末と祝日に開催される屋台イベント「活きいき馬関街(ばかんがい)」の、名物"寿司バトル"へGO!その日に獲れた鮮魚を使ったお寿司、海鮮丼、揚げたてのフライや汁物などをお腹いっぱい味わえます。なかでもぜひ食べたいのが、珍しい「クジラのにぎり寿司」!赤肉のにぎり、鯨ベーコンのにぎり、尾の身のにぎりなど、ここでしか味わえない絶品くじらグルメが盛り沢山です。リーズナブルな価格で1貫から購入できるので、食べ比べも楽しいですよ。
【ブログ記事もチェック!】
【アンコウ】なぜ下関でアンコウが食べられるようになったの?
下関漁港はアンコウの水揚量日本一!ですが、地元で食べられるようになったのはわずか20年ほど前のこと。東日本では江戸時代から5大珍味と言われ将軍の献上品にもなる高級魚でしたが、新鮮な魚介が豊富な山口県では、ぬめりが強いアンコウをわざわざ食べようという文化がなかったのです。
そこで、たくさん獲れてこんなに美味しい「下関あんこう」をもっと地元の人にも知ってもらおう!と、水産関係者が2003年頃から商品開発やPRを開始。市内の小中学校でアンコウ料理を給食に出したり、アンコウ料理のコンクール開催などの活動を続け、今ではスーパーでも気軽に手に入る、市民に愛される食材となりました。
【アンコウ】冬の風物詩、アンコウを食べてキレイになろう!
淡白な白身と濃厚な肝が魅力なアンコウは、骨と歯以外全部食べられるスーパーフィッシュ!身・皮・肝・胃・エラ・卵巣・ヒレは「アンコウの7つ道具」と呼ばれ、それぞれ異なる食感や旨味を楽しむことができます。定番の「アンコウ鍋」をはじめ、唐揚げにしても焼いても美味しい!茹でた身や皮を、肝入りの酢味噌につけて食べるのもオススメです。また、あん肝は「海のフォアグラ」と呼ばれるほど濃厚でクリーミー!
アンコウの旬は冬。特に1~2月の肝は極上で、旨味が凝縮された鍋は冬の風物詩です。身は高タンパク低カロリー、皮やヒレにはコラーゲンがたくさん含まれているので、お肌がプルプルになること間違いなし!肝に含まれるDHAはコレステロール値を下げる効果もあります。旬の野菜を入れ、締めは雑炊まで余すところなくお楽しみください。
Column
下関漁港あんこう学生料理グランプリ
下関市内在住の学生・生徒を対象に開催される、アンコウ料理のレシピコンテスト。応募作品はアイデアとユーモアが溢れ、発想力と創造力にプロの料理人も脱帽!受賞した「あんこうの和風コロッケ」や「油林(ゆーりん)あんこう」など家庭で手軽に調理できるレシピがほとんどなので、挑戦してみてはいかがでしょうか。レシピはクックパッドで公開中です。
【ウニ】お土産にはこれ!ウニの瓶詰発祥の地・下関
エサとなる海藻が豊富で、ウニの生息に適している下関。バフンウニ、アカウニなど良質なウニがとれるエリアです。下関市の貝塚からは縄文時代のウニの化石が発見されており、古来から親しみのある食材だったことが伺えます。
そんな下関は、アルコール漬け粒うに発祥の地。明治初期、酒宴の席に出されていたウニの小鉢に誤ってお酒がこぼれてしまいます。しかしそれが美味しかったことがきっかけで、まろやかな「瓶詰粒うに」がつくられたのです。アルコールで加工されたウニは長期保存が可能で、年中手に入る名産品として高い評価を受けています。
お土産にピッタリな瓶詰うには、様々な料理にアレンジも可能。人気の粒うにはごはんとの相性も抜群ですが、その濃厚さを活かして炊き込みご飯やクリームパスタもおすすめです。粒うにだけでなく、練ってある「練りうに」、加工品にクラゲやイカを和えた「うにあえもの」などを使用し、料理によって使い分けても良いですね。
【クエ】一度は食べてみたい「幻の高級魚」
九州ではアラとも呼ばれるクエは、トップレベルの高級魚!「幻の魚」と言われるほど漁獲量が少なく、天然物をスーパーで見かける事は滅多にありません。しかし近年、下関周辺で漁獲量が増えており、ふぐやアンコウと並ぶ三大鍋として人気沸騰中!
クエは珍しい魚ですが、ほぼ1年を通じて水揚げされます。新鮮なクエが手に入る下関の高級料理店では、刺身で食べる事も可能です!大身は淡泊ながら脂がのり旨味が強く、皮はたっぷりのゼラチン質でプルプル。夏からは秋は産卵期で余分な脂が落ちるので、この時期のクエを好む方もいるそうです。クエの旨味をまるごと感じられる「クエ鍋」は絶品で、「クエを食ったら、他の魚は食えん」と言われるほどの美味しさ!家庭でも味わえるクエ鍋セットが販売されているので、お土産やお取り寄せグルメでも、クエの魅力を存分にお楽しみください。