周南市大津島「周南市回天記念館」をレビュー│行き方・フェリー料金・所要時間・周辺食事情報まで解説
今回は実際に大津島巡航のフェリーに乗って大津島を訪れ、回天記念館や回天訓練基地跡を見学してきました。回天記念館へのアクセス方法やフェリー料金・時刻、実際にかかった所要時間など詳しくご紹介します。
これから回天記念館を訪れようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
※この記事の情報は2026年5月時点のものです。
- 森沙織

- 205pv

回天記念館とは?

山口県周南市、瀬戸内海に浮かぶ大津島(おおづしま)にある「周南市回天記念館」は、太平洋戦争末期に大日本帝国海軍が開発した人間魚雷「回天」に関する遺品や資料を展示し、戦争の悲惨さや平和の尊さ、命の大切さを伝える施設です。
戦争末期の厳しい戦況の中で投入された回天。その名前には、「天を回らせ、戦局を逆転させる」という意味が込められていたといわれています。
回天は、一度出撃すると生還が想定されていない兵器でした。搭乗したのは、20歳前後の将来ある若者たち。大津島には、当時、回天隊員の訓練基地が置かれていました。
館内には、隊員たちが残した遺品・遺墨・遺影など、約1,300点の資料を展示。回天にまつわる歴史や隊員たちの思いを伝えながら、戦争の記憶を次世代へと受け継ぎ、平和の尊さを未来につないでいます。
回天記念館へのアクセス:大津島への行き方 フェリー料金と所要時間

回天記念館がある大津島へは船での移動が必要です。徳山港から大津島巡航のフェリーまたは旅客船に乗って向かいます。
徳山港のフェリー乗り場は、新幹線停車駅であるJR徳山駅みなと口から徒歩約5分ほど。駅から海沿いへ進むと、乗船券売場のある徳山ポートビルが見えてきます。徳山ポートビル横にも、回天のレプリカが展示されているので、時間に余裕はある方はぜひご覧になってみてください。

今回はフェリーに乗船して大津島へ行きます。
フェリーのチケットは、徳山港フェリーターミナル内にある大津島巡航の券売機で購入できます。
徳山港〜馬島港の料金は以下の通りです。
| 往復 | 片道 | |
| 大人 | 1,440円 | 720円 |
| 小人 | 720円 | 360円 |

徳山港~大津島を結ぶフェリーの時刻表です。
天候によって運休となる場合もあるため、最新情報は大津島巡航株式会社 公式サイトで確認するのがおすすめです。
ちなみに徳山港から大津島の「馬島港」までの所要時間は、フェリー新大津島で約45分。旅客船を利用すると、約20〜30分で到着します。便によって停泊港や所要時間が異なるため、事前に確認しておいてくださいね。

ターミナルの待合所は広々としていて、行き交う船やフェリーを眺めながらゆっくり時間まで過ごせます。

行きは、フェリー新大津島に乗ります。
オレンジ色ののぼりを目印に、乗り場に向かいます。
車両掲載デッキを歩いてフェリー内に入ります。
1階と2階の席があり、トイレは1階にのみあります。

2階には展望デッキがあります。
潮風を感じながら、行き交う船の様子も眺めることができますよ。
回天記念館へのアクセス:大津島の港から回天記念館へのルート
大津島にある「馬島(うましま)港」に到着しました。
ここから回天記念館までは約700mです。急勾配の坂を登っていくので、履き慣れた歩きやすい靴がおすすめです。暑い時期に訪れる場合は日傘や帽子を用意しておくと心強いです。
回天記念館に向かう道のりには、コンクリートの塀があります。これは、魚雷の整備工場と島の人々が行き来する道の間に設けられた遮蔽物です。
当時の軍事施設に関連する遺構の一つとされており、機密保持や安全確保の役割も担っていたと考えられています。現在も戦時中の緊張感を今に伝えています。
当時は、人の背丈を大きく超える高さのコンクリート塀だったようです。
戦後、周辺の路面の高さが高くなったため、相対的に塀の高さが低くなっています。
周りの様子を散策しながら5歳児を連れてゆっくり進み、約15分で回天記念館に到着しました。
回天記念館の展示内容、所要時間の目安
※回天記念館の館内の写真撮影は禁止されています。今回は、許可を得て撮影を行っています。
館内には、当時の写真や資料、隊員たちの遺品などが展示されています。元搭乗員の証言映像なども上映されており、搭乗員の方の肉声や家族に宛てた手紙を読んでいると、思わず涙がこぼれそうになってしまいました。
館内には、映画「出口のない海」で使用された回天のロケセットも展示されています。
回天の直径は1mですが、こちらに展示されているロケセットは主演の市川海老蔵さんの身長に合わせて、1m25cmにスケールアップされたもの。
実際にロケセットをのぞき込んでみました。1m25cmにスケールアップしているとはいえ、圧迫感は相当なものでした。
回天には窓がなく、ハッチを閉めると真っ暗な空間。
内部には、搭乗員が暗い機体内で計器類を確認できるよう、照明も設けられていました。操縦中は限られた明かりを頼りに計器や操縦装置を確認していたとされています。
深度計や方位計など複数の計器を同時に確認しながら、縦舵・横舵を操作していたそうです。
回天の操縦は非常に難しく、「操縦するのには6本の手と6つの目がいる」と当時の搭乗員は語ったそうです。
操縦する以外身動きが取れないほど、圧迫感のある狭い空間。暗い海にただ1人で、孤独な戦いが繰り広げられました。

回天記念館の外には、回天のレプリカと九三式酸素魚雷のエンジンが展示されています。
| 全長 | 14.75m |
| 胴直径 | 1.0m |
| 全重量 | 8.3t |
| 最高速力 | 30.0ノット |
| 燃料 | ケロシン(灯油) |
| 頭部炸薬量 | 1.55t |
| 軸馬力 | 550馬力 |
実物大の回天の前に立ってみると、その大きさに圧倒されます。
全長は長いですが、胴の部分はとても窮屈な印象を受けました。

上部にあるハッチです。

水防眼鏡(すいぼうがんきょう)は外の様子や目標艦船を確認するためのものです。目標に近づくと一度浮上し、水防眼鏡で位置を確認したうえで進行方向を修正し、再び潜行して進んだとされています。
水防眼鏡の倍率は、1.5倍と6倍に切り替えができます。

二重反転スクリュープロペラ・縦舵・横舵です。
| 二重反転スクリュープロペラ | 回天を前へ進める |
| 縦舵 | 回天を上下に動かす装置で、潜る・浮かぶなど、水深を調整する |
| 横舵 | 回天を左右に曲げる装置で、進行方向を変える |
回天記念館の見学にかかる所要時間の目安は約30分〜1時間ほどです。
展示を一通り見るだけであれば30分前後でも回れますが、展示資料や映像をじっくり見学する場合は1時間~1時間30分程度みておくと安心です。
館内には、当時の写真や資料、隊員たちの遺品などが展示されています。約25分の元搭乗員の証言映像なども上映されており、すべてをじっくり見学すると想像以上に時間が経つかもしれません。
子供と一緒だったため一部駆け足での見学となりましたが、展示資料や映像も一通り見た我々の滞在時間は、約50分でした。
あわせて行きたい回天訓練基地跡
回天訓練基地は、旧日本海軍の九三式酸素魚雷の発射試験場として1939年(昭和14年)に建設された施設でした。1944年(昭和19年)9月1日に回天基地が開隊され、回天の訓練基地として使用されるようになりました。
全国に4か所あった回天基地の中でも最初に開設され、さらに当時の施設が現在も残されている唯一の場所です。
記念館から回天訓練基地跡へは、徒歩約10分で行くことができます。港から記念館まで歩いてきた道を途中まで引き返し、その後「回天運搬用トンネル」を通って向かいます。
薄暗く、少し怖い雰囲気のトンネルは整備工場と回天訓練基地を結んでいます。長さは247mで、高さはおよそ4m。
回天はトロッコに乗せられ、訓練基地に運ばれていました。足元を見てみると、トロッコのレール跡が確認できます。路面は安全のために手が加えられていますが、トンネルの側面や上部は当時のまま残されています。

当時の様子が確認できる写真も展示されています。

回天訓練基地跡はフェンスで区切られていますが、じっくり確認すると酸素魚雷用の発射口を確認できます。

回天は酸素魚雷用の発射口の反対側にあるクレーンを使って海上に降ろされていました。現在もクレーン基礎跡が残っています。
クレーンで降ろされた後は、回天を横に抱きかかえることから「横抱き艇」と呼ばれる船で基地の南側沖合海上に設置してある浮標まで運ばれます。
回天の搭乗訓練は、搭乗員のレベルに合わせて1~5の訓練水域で行われたそうです。
回天記念館とあわせて見学することで、当時の歴史や平和について、より深く考えるきっかけになる場所なので、ぜひ足を運んでみてください。
回天記念館周辺ランチ情報
馬島港から歩いてすぐのところに、島食堂 ひなたがあります。現在、島食堂ひなたが島内唯一の飲食店です。
ひなたカレー・フィッシュフライバーガー・ぶっかけ島うどんなど、大津島ならではの食材を活かしたメニューが楽しめます。
遅めの時間に行くと、売り切れのメニューもあるので、気になるメニューがある方はお早めに。

今回は、フィッシュフライバーガーとすだいだいスカッシュをオーダーしました。
訪れた日のフィッシュフライは、ハマチとタイから選ぶことができ、私は大好きなハマチにしました。フライなのにしつこさがなくペロリと食べられました。
すだいだいスカッシュは、甘酸っぱさと繊細な炭酸が口いっぱいに広がって、歩き疲れた体に染みわたりました!
島食堂ひなたの営業日は、土日祝のみとなっているため、平日に訪れる場合は注意してくださいね。
また、12~3月は冬季休業となっています。
大津島は静かな島で、スーパーやコンビニはなく、自動販売機の数も限られています。
島食堂ひなたで食事を楽しむのが難しい場合は、フェリー乗船前に徳山駅周辺で食事を済ませるか、軽食や飲み物を持参すると安心です。
回天記念館で歴史と向き合う時間を

大津島にある回天記念館は、穏やかな瀬戸内海の風景の中で、戦争の歴史や平和について考えられる場所です。
館内には、当時の資料や隊員たちの遺品などが展示されており、戦争末期に何が起きていたのかを知ることができます。実際に現地を訪れることで、資料からだけでは伝わりきらない現場の空気感や、歴史の重みを感じられました。
また、大津島には回天訓練基地跡や運搬用トンネルなどの戦争遺構も残されており、記念館とあわせて巡ることで、より深く歴史に触れられます。
フェリーで島へ向かう時間も含めて、日常から少し離れながら歴史と向き合える大津島。観光地として楽しむだけではなく、平和について考えるきっかけとして訪れてみてはいかがでしょうか。
\この記事でご紹介したスポットはこちら/
- 徳山港
- 馬島港
- 回天記念館
- 回天訓練基地跡
- 島食堂ひなた
Column
回天記念館・回天訓練基地跡を訪れるモデルコース
戦争の記憶を今に伝え、平和の尊さを静かに学べる島、周南市の「大津島」は、落ち着いた時間の中で「命」への思いを深めることができます。
その大津島と、山口県内の自然・歴史に触れられるモデルコースをご紹介。教育旅行などの団体旅行だけでなく、個人旅行のプランニングにもおすすめです。

山口県│平和について学べるスポット
Column
陸奥記念館(周防大島町)
1943年、周防大島沖での爆発事故により沈没した旧日本海軍の戦艦「陸奥」の遺品や資料を展示する施設です。
海底から引き揚げられた艦首、副砲、スクリュー、殉難将兵の遺影や遺品などが展示されているほか、貴重なフィルム映像をご覧いただけます。




























