山口のSNS映えスポット!ピンク色に染まる「東後畑棚田」へ

一年のうち数か月、しかも夕暮れ時のわずかな時間だけしか見られない絶景棚田が、山口県にあることをご存知でしょうか。その名は「東後畑棚田(ひがしうしろばたたなだ)」。日本海に沈む夕日が空と海と水田をピンク色に染め、漁火が星のように輝く幻想的な風景は、知る人ぞ知る絶景として注目を集めているのです。魅力と鑑賞ポイントをひもといていきましょう。

山口のSNS映えスポット!ピンク色に染まる「東後畑棚田」へ

どこにある? 何が魅力?? 「東後畑棚田」についてご紹介

山口県北西部に位置する長門市は、日本海を見渡す港町。本州最西北端の向津具(むかつく)半島の油谷地区は、約600haもの水田が広がる一大棚田地区で、今回紹介する絶景棚田の「東後畑棚田」も油谷地区にあります。棚田とは階段状に何枚も続く水田のことで、1,000枚近くあるものは「千枚田」とも呼ばれています。山あいの急な斜面を活用するのが一般的ですが、東後畑棚田は海を見渡せる場所にある点が魅力で、海×棚田のコラボレーションはまさに絶景!! 景観の美しさ、環境の保全活動などの取り組みが認められ、「日本の棚田百選」に山口県から唯一エントリーを果たしました。5~8月頃は日没後、棚田の向こうにイカ釣り漁船の漁火が見え、ひときわ美しさが際立ちます。その光景をカメラに収めようと、多くのカメラマンが訪れます。

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ユニークな半島名「向津具(むかつく)半島」に注目!

インパクトのあるネーミングの「向津具半島」。由来は所説ありますが、中国に対して「向こうの国」(海を隔てた向こうの国へ、あるいは向こうの国から往来する場所)を意味する「向国(むかつくに)」が語源という説があります。半島西側の岬には、かつて遣唐使が中国へ渡った「唐津口」があり、そこに楊貴妃が流れ着いたという伝説も残っています。

そんな歴史ロマンあふれる半島は、昭和50年代までは約25,000枚もの棚田が広がる農業が盛んな場所でした。時代の流れとともに増える耕作放棄地を花で埋め尽くし、新たな観光スポットとして再生させる「棚田の花段」プロジェクトが2019年から始動。土・日曜、祝日をメインに山口県産の食材を使ったジェラートが味わえる「むかつくジェラート」が出店し、「むかつくことを叫ぶ台」や「むかつく顔で撮影する顔抜きパネル」などもあり、地名の「むかつく」にちなんだユニークな体験ができるとSNSで話題を集めています。

ユニークな半島名「向津具(むかつく)半島」に注目!

東後畑棚田の絶景シーズンカレンダー

季節の移ろいとともに表情を変える東後畑棚田。田んぼに水を張る5月頃は、水田が鏡のように空を映し出し、幻想的な風景が見られる時期。その先に続く青い海と相まって、美しい青の世界が広がります。

緑の稲が生い茂る8月には水面鏡の景色は見られなくなりますが、一面に広がる緑のじゅうたんは爽快! 棚田の周辺ではカエルや鳥の鳴き声が響き、夏の終わりの夕暮れにはヒグラシも。夏の風情も魅力です。

秋の収穫時期には、黄金色の稲×青い空と海のコラボレーションが見事で、日本の原風景を思わせる絶景に思わずため息がこぼれます。

稲刈り後の棚田では「はぜ掛け」という天日干しが行われ、郷愁を誘います。東後畑棚田には、一年を通じて何度も訪れたくなる不思議な魅力がある場所です。

ベストシーズン×時間帯はココ!必ず見てほしい夕暮れ時の東後畑棚田

季節ごとの美しさを楽しめる東後畑棚田。なかでもベストシーズン×時間帯は、水面鏡の世界が広がる5~6月の夕暮れ時。夕日が海に近づくにつれ、海と空と水田を幾重もの色彩のグラデーションが染めていきます。遠くに見える日本海や棚田を縁取るあぜ道が浮かび上がり、まるで影絵の世界に入り込んだかのよう。沈む太陽は海上で一本の光の帯となり、水を張った棚田の水面にまで注ぎ込み、あたり一帯が神々しい雰囲気に包まれます。

この夕日の余韻のなか、ぜひ見てほしいのが、初夏から夏にかけて日本海に浮かぶイカ釣り漁船の漁火です。日本海に浮かび上がる漁火はまるで星のように輝き、日没後の風景がさらにきらめきます。初夏は港の近くで漁を行うので漁火が近くに見え、8月下旬には漁船が沖合へ出ていくため、漁火が遠くに小さく見える違いがあります。いずれもこの光景が見られるのは、暗くなるまでのほんの一瞬。この時期になると、多くのカメラマンが三脚を立てシャッターチャンスを狙っています。

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夕暮れの光景を見た後は近くの温泉宿へ

美しい夕日の余韻に浸るなら、「油谷湾温泉 ホテル楊貴館」に滞在してはいかがでしょう。目の前に油谷湾が広がり、海を望む露天風呂が自慢の温泉宿です。肌にしっとりとなじむような湯は泉質が良く、海を眺めながらいつまでも入っていたくなる心地よさ。少し足をのばせば、街全体をリノベーションした「長門湯本温泉」、古くから湯治場として知られる「俵山温泉」もありますよ。

夕暮れの光景を見た後は近くの温泉宿へ

事前に知っておきたい♪ 東後畑棚田のお役立ち情報

棚田から約200m離れた場所に無料駐車場が整備されているので、そちらに車を停めて移動しましょう。絶景が見渡せるポイントには東屋やトイレがあるので、ゆっくりと観賞や撮影が楽しめます。東後畑棚田は、古くから地域の人々が守り続けてきた貴重な農地です。現在も稲作が行われ、地元のみなさんの努力でこの美しい景観が守られています。撮影時は田んぼに立ち入らない、ごみを捨てない、農作業の邪魔になることはしないなど、基本的なマナーを守り、撮影や観賞を楽しんでください。

棚田周辺は山口屈指の絶景エリア!合わせて訪れたいおすすめスポット

向津具半島には美しい海を背景に、自然と触れ合うビュースポットがたくさんあります。その象徴的存在が「元乃隅神社」です。全国的にも有名な絶景スポットとして知られ、海まで続く123基の鳥居が圧巻です。日本海を一望する高台に広がる草原「千畳敷」も要チェック。緑の草原と青い海が織り成す光景が、何とも心地よい場所です。本州最西北端に位置する「川尻岬」、日本有数の海水の美しさを誇る白砂の「二位ノ浜海水浴場」には、どちらもキャンプ場がありアウトドアを楽しむ人たちに人気です。東後畑棚田を訪れたら、ぜひ立ち寄って山口の思い出をたくさん作ってみてください。