山口の方言をマスターしよう!山口弁の使い方

旅の醍醐味のひとつは、地元の人との出会いと交流!「ぶち~」「~ちょる」といった山口でよく使われる方言や、「ふく」「おいでませ」など特有の表現を例文と一緒にご紹介します。これを読めば、あなたも今日から山口県民⁉ 旅先でぜひ使ってみてくださいね。

山口の方言をマスターしよう!山口弁の使い方

知っておきたい!定番の方言

山口弁標準語
おいでませいらっしゃい
幸せます嬉しく思います、助かります
ふくふぐ


山口県を観光していると、あらゆるところで見かけるのが「おいでませ」という言葉。駅、空港、看板、マンホール…。旅行者を歓迎する意味を込めて「おいでませ(いらっしゃい)、山口へ」のキャッチフレーズが置かれています。

また、「幸せます」は嬉しく思います、助かります、という意味。「~してもらえると幸せます」のように使います。防府市はこれに「幸せが増す」という意味を付け加えて使っており、防府市内のお店や防府天満宮の参道では「幸せますグッズ」が販売されていることも。

山口の定番グルメ「ふぐ」も、地元では「ふく」と呼びます。諸説ありますが、下関では「福」にかけて縁起を担ぐ意味からも「ふく」と呼んでいるとか。

語尾に注目!

山口弁の特徴のひとつは語尾。なかでも代表的なのが、時間を表す「~ちょる(結果)」「~よる(進行)」「~とる(結果・進行)」です。標準語の「~ておる(~ている)」が変化した表現だといわれています。※「~ちょる」が進行を表す場合もあります。


・花が散っちょる(散ってしまった)

・花が散りよる(散っている)

・花が散っとる(散ってしまった/散っている)


何かを推定する場合、語尾は「~じゃろー」。相手に同意を求めるなら「じゃろ?」と聞いてみましょう。「~だろう」「~だった」など、ダは「ジャ」に変化するので、断定の「~だ」も「~じゃ」に、「~だから」も「~じゃから」「~じゃけぇ(~やけぇ)」になりますよ。


・明日は雪が降るじゃろー(降るだろう)

・明日は雪が降らんじゃろー(降らないだろう)

・立ち上がるのは今じゃ!(今だ)


家族や友人と話すときによく使う表現で、「~だよ」という意味で使われます。「~ちゃ」は某アニメのキャラクターが浮かびますね。上にもあるように似たニュアンスで「~じゃ」も使用します。念押しや強調のニュアンスもあるので、少し強めに伝えたい時に使う場合も。


・それっちゃ!(それだよ!)

・お茶っちゃ(お茶だよ)

・そうなんじゃ!(そうなんだ!)


問いかけや疑問は、上がり調子で「~するそ?」。個人差もあるので一概には言えませんが、県の西南部では「~ほ?」を使う人が増えてくる傾向にあります。疑問形でなく、単に語尾につける場合もありますよ。


・何しよるほ?(何してるの?)

・そーなそ?(そうなの?)

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山口県PR本部長ちょるる

山口県の魅力をPRするため活動する、山口県PR本部長ちょるる。ちょるるの名前の由来は、山口弁の語尾に使われる「ちょる」をアレンジしたものです。頭は「山」、顔は「口」で、山口を表現しています。

山口県PR本部長ちょるる

強調する

自分の気持ちや程度を強く表現したい時、会話の中で使える表現をご紹介します。

ぶち(とても)
とても、すごく、など程度が甚だしいことを意味する比較的新しい方言。「ぶち暑いっちゃ(すごく暑いよ)」など日常会話に多く登場するため、方言だと気づいていない県民もいるとか…?荒々しい動作を表す言葉(ぶち壊すなど)から派生した方言だといわれています。
わや(めちゃくちゃ)
無茶苦茶、ぐちゃぐちゃ、など少し否定的なニュアンスで使われる表現です。物を落として散らばった時などに、大変だ!やばい!という意味で「わや!」と使います。”人を惑わす”という意味の古語「枉惑(おうわく)→わやく」が変化したものだとか。
ようけ(たくさん)
何かの数量が多い時、「~がようけあるっちゃ!(~がたくさんある!)」のように使います。山口に限らず、関西などでも使われる表現です。諸説ありますが、“必要以上”を表す「余計」が語源だと考えられているそうです。

子どもの頃に言われる言葉

県民は子どもの頃に言われたことがあるかも⁉ 注意を促す時に使える表現をご紹介します。

はぶてる(拗ねる)
拗ねたり、いじけた時は「はぶてる」を使います。誰かが拗ねていたら、「はぶてんそっちゃ!(拗ねるんじゃないの!)」と喝を入れてみてはいかがでしょうか。
じら(わがまま)
わがままや駄々は「じら」。「じらばっかり言っちょって!(わがままばかり言って!)」のように使います。じらをくる(わがままを言う)人は、「じらくり」「じらくい(むし)」です。
ちゃんこ(座る)
主に小さな子どもや年下に対して使う言葉。落ち着きのない子どもに「ちゃんこしい(座りなさい)」などと使います。広島で使われることも多いようです。

これが分かれば上級者⁉

県民には馴染み深い表現ですが、県外では通じない…という方言をご紹介します。


山口弁標準語
せんない面倒くさい、つらい
えらい
疲れた、きつい
やぶれる壊れる
なおす
片づける
みやすい
簡単
たう・たわん手が届く・届かない
すいばりトゲ



「部屋の片づけせんないわ~」のように使う「せんない」は、面倒な時、しんどくてつらい時などに言う言葉です。似た意味で「えらい」もありますが、こちらは何かをして疲れた時。多くの場合、「ぶちえらい(とても疲れた)」のように、ぶちと一緒に使います。


物が壊れてしまったら「やぶれた!」。標準語の「破れる」とは異なり「時計がやぶれた」「机がやぶれた」などと、機械や堅い物体にも使います。壊れたものは直したいですが、山口弁の「なおす」は「片づける」という意味。「それなおしといて!」は、九州や関西でも耳にする方言です。


学生がよく使う、「今日のテストみやすかったね」は「見やすい」ではありません。山口弁の「みやすい」は、簡単、易しいという意味。「楽勝」というニュアンスが含まれています。


また、物を取りたいけど手が届かない!というときは「あれ、たう?」「たわんけぇ、取って」とお願いしてみましょう。「たう・たわん」は、手が届く・届かないという意味です。

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方言で告白してみよう!

「~ちゃ」「ちょる」といった語尾が可愛い!と言われる山口弁。好意を伝えるときに使える表現をご紹介します。


山口弁標準語
ぶち好きっちゃ!大好きです
付き合ってほしいそ付き合ってください
愛しちょる愛してる


方言で告白してみよう!

日常生活で山口弁を使ってみよう!

いかがでしたか?方言は、その地域に住む人々の歴史や生活に寄り添って進化してきた言葉です。方言を知っていれば、地元の人とのコミュニケーションのきっかけにもなるかも⁉ きっと、旅の思い出を増やしてくれることでしょう。山口旅行を思い出しながら、日常生活でもぜひ使ってみてください。


もっと知りたい!という方は、山口弁を交えて本人の語り口調でご紹介している「高杉晋作特集」もおすすめです。

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山口弁のLINEスタンプ

山口県観光連盟では、県の観光キャッチフレーズ「おいでませ ふくの国、山口」のシンボルマーク、「ふくだるま」のLINEスタンプを販売しています。日常で使いやすい山口弁を織り交ぜた可愛いスタンプなので、ぜひ使ってみてくださいね。

山口弁のLINEスタンプ